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物理学者が『エヴァ』を徹底解説!…ラミエルは4次元立方体の3次元空間への投影!?

エヴァのプチ科学 その1

『新世紀エヴァンゲリオン』TV版から25年、ついに最終作の『シン・エヴァンゲリオン劇場版: ||』が公開されました! エヴァと言えば、物議を醸しだす凄惨な心理描写と共に、難解な科学用語がサラッと登場することでも有名です。

この記事では、過去のエヴァ作品を復習しながら10個のプチ科学ネタを3回に分けて紹介します。マニアック度(?)をシンクロ率になぞらえて、シンクロ率10%の基礎的な数学ネタから、物理学ネタ、応用物理学ネタでシンクロ率を高め、最後は生物学ネタでシンクロ率100%を目指しましょう。

【シンクロ率10%】
ゼーレの背中に「ピタゴラスの定理」

まずは、簡単な数学ネタから始めましょう。

『エヴァンゲリオン』の中核をなす組織といえばNERVですが、その背後で暗躍する謎めいた組織がゼーレです。ゼーレの姿は『2001年宇宙の旅』に登場したモノリスそのもの。黒い直方体としか言いようのないミニマムなデザインをしています。

モノリスのイメージ

モノリスの3辺の長さの比は1:4:9ですが、この数字は1、2、3をそれぞれ2乗したものになっています。これは天然には存在しえない比であり、知性の象徴だとされています。なお、私はモノリスが好きすぎて、自分の部屋番号、電話番号はもちろん、郵便番号までもモノリスにちなんだ数にしています。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』ではゼーレのビジュアルもパワーアップし、背面に意味深な図形が追加されていることに気が付きました。なんと、「ピタゴラスの定理」を図式化したものが描かれていたのです。

「ピタゴラスの定理」は中学校で習うため、多くの人が聞いたことがあると思いますが、念のため復習しておきましょう。2辺がaとb、斜辺がcの直角三角形を考えます。すると、3つの辺の長さには、a^2+b^2=c^2の関係が成り立つというものです(注:a^2はaの2乗を表しています)

最も有名な組み合わせはa=3、b=4、c=5の場合です。試しに計算してみると、a^2は3^2=9、b^2は4^2=16、2つの和をとると9+16=25になります。一方で、c^2は5^2=25、ということで両方とも25でピッタリ一致します。

ゼーレの背後に描かれていたものは、ピタゴラスの定理の式ではなく、a=3、b=4、c=5の場合の証明を図式化したものです。a=3、b=4、c=5の直角三角形の各辺に、1辺が同じ長さの正方形がピッタリ接しており、それぞれの正方形の面積がa^2=9、b^2=16、c^2=25となることがマス目のカウントからわかります。

紀元前から知られる最も有名な数学の定理、まるで『エヴァンゲリオン』で起こる出来事のすべてを予言していたかのようなゼーレにはぴったりの演出です。

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