一番大変なのは「自分のお金がない」こと

2.アルバイトでも何でもいいので働く

一番離婚が大変なケースはというと、それはDVに遭っている場合でも、相手の抵抗が強い場合でもなく、「自分のお金がない」場合なのだそう。

「離婚はお金がかかるものです。離婚といっても、きちんと籍を抜いて財産を分与してから別居を始めるというケースはほとんどなくて、離婚が成立する前にどちらが家を出ることがほとんど。自分が出る場合、実家に帰ることができる人はいいのですが、そうじゃない場合は部屋を借りなければなりません。まずはそのお金が必要ですが、専業主婦で夫が家計を握っているという人は、それがない。ですから私は、専業主婦で実家を頼ることができないクライアントさんには、『何でもいいのでとりあえず働いてください』とお願いしています」

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ちなみに“婚姻費用”といって、別居中でも扶養者である夫は妻に生活費を払う義務がある。ただしこれは夫がすんなりと支払わない場合は調停手続きなどに時間がかかるため、実際に手元に入ってくるのは半年後ぐらい。さらに慰謝料や養育費、財産分与など、離婚で得られるお金のほとんどは正式に離婚が成立した後から入ってくるものばかり。まずは手持ちのお金がないと家を出ようにも出られない、というのが現実だ。

「逆にDV被害に遭っているなら、シェルターなどがあるのでそこに賭け込むことができますし、行政の保護も手厚いので、その後の生活費も何とかなるもの。だけど離婚理由が価値観の相違といったように、どちらかに決定的な非がない場合は、離婚にはある程度の時間がかかってしまう。それまでずっと一緒にいるのは苦痛ですから、とりあえず別居ができるお金を自分で捻出する必要があるんです。熟年離婚の場合は、専業主婦でもヘソクリがあったりするし、夫婦の共有財産も比較的貯まっており、離婚後はそれが半分もらえますので当面の生活も何とかなることが多い。大変なのは、若い夫婦。まだ共有財産貯がたいしてありませんし、子供も小さいことが多いので、実家を頼れない場合は離婚はおろか、なかなか別居すらできないのが実情です。

ただ、どんなに離婚に反対していた親でも、最後は味方になってくれるもの。ほとんどのクライアントさんは実家に帰っていましたし、もともと頼れる実家がない人は働いていることが多い。最終的には何とか離婚できているのですが、時間もエネルギーもかかって疲弊しています。ですから離婚を考え始めたら、アルバイトでも何でもいいので働いてほしい。お金を得られるだけでなく、働くことで自分への自信も生まれますし、人間関係が広がってより条件の良い仕事を見つけられる可能性も高まりますから」