文科省が「コロナ禍でも対面授業」にこだわるせいで、大学で「大混乱」が起きていた

田中 圭太郎 プロフィール

萩生田大臣による「対面授業」要請が影響?

ただ、混乱はこれだけでは終わらなかった。組合関係者によると、多くの教員は当面はオンライン授業に移行すると思っていたが、臨時休講明けの4月19日からもできるだけ対面で行うようにという指示が、授業再開直前に教員に伝えられたという。

「オンライン授業に移行すると発表しているのに、16日金曜日から17日土曜日にかけて急にこの授業は対面で行うように、といった指示が各学部で飛び交いました。原則オンラインと発表した学長文書と違う指示なので『意味がわからない』という声が教員から多数寄せられました」(前出の関係者)

その結果、4月19日にも混乱が起きた。オンライン授業を準備していた教員は、直前になって授業を対面に戻すことを指示された。学生への連絡も不十分で、オンライン授業だと思って自宅で準備していた学生が対面で授業が行われることを知らず、結局授業を受けることができなかったケースもあった。

 

その混乱を経て、4月23日には25日からの緊急事態宣言の発出が決まった。結局、実験や実習などを除いて、オンライン中心の授業にせざるを得なくなったのだ。新型コロナの感染が拡大する中でも対面にこだわったのは、文科省の方針が影響したのかどうかを広報室に聞くと、次のような回答があった。

「文部科学省からの要請内容は確認しておりますが、本学が原則対面授業を実施することに決めたのは、学生から対面授業を望む強い要望が昨年度、今年度もあることに加え、大学における教育は、豊かな人間性を涵養する上で、学内で教員と学生、学生同士が人的な交流等を行うことが重要であると考えているためです」

もちろん教員の側も、できるだけ対面授業を行うことの必要性は感じている。しかし、近畿大学では、在学生の新型コロナの累計感染者数が3月4日現在で116人だったのが、4月28日現在では学生・大学院生含めて240人に増加している。

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