文科省が「コロナ禍でも対面授業」にこだわるせいで、大学で「大混乱」が起きていた

田中 圭太郎 プロフィール

ところが、大学が3月5日にホームページで公開した在学生や保護者宛ての文書では、授業は一部オンデマンドで行うものの「対面授業を原則」とし、研究活動等についても「キャンパス内の施設・設備を活用し、従来通りの活動とします」と記載。ほぼ全面的な対面授業に舵を切る姿勢を打ち出した。この突然の表明に教員たちは驚いたという。

「いきなり全部対面授業で行くぞと言われて、現場は大慌てですよ。多くの学部でいろいろな立場の教員が学部長に困ると訴えましたが、決定が変わる気配はありませんでした。しかも新型コロナの感染拡大が続いていて、これは大変なことになるのではないかと危惧しました」

さらに、大学が授業の定員を、教室の収容人員の限界まで認めたため、教職員組合では定員を収容人数の2分の1、最大でも3分の2に抑えることや、感染リスクを恐れる学生のためにオンラインでも受講できる体制を整えることなどを大学側に求めた。

しかもこの間、新型コロナウイルスの感染は拡大していて、3月末には大阪府に「まん延防止等重点措置」が4月5日から適用されることが決まっていた。また、3月29日に行われた団体交渉でも組合はフル定員での授業実施に反対していた。にもかかわらず、大学は方針を変えず、新学期に突入した。

 

授業初日に混乱、翌週は臨時休講

4月7日、新年度の授業が始まると、10学部を置く東大阪キャンパスには多くの学生の姿があった。新年度から対面授業が増える、と期待した学生もいただろう。しかし、多くの学生が履修していた授業では朝から混乱が発生した。授業によっては学生の数が、教室の収容人数を超えていたのだ。

この写真は、経済学部の1限目の授業の様子。この授業は、2回目以降はオンラインで開催する予定だったが、最初の授業を対面で実施したという。大教室の席は埋まり、立見をしている学生や、教室に入りきれずに出てきた学生もいた。教室内では席の間隔を空けている様子もなく、感染防止対策も決して十分とは言えない状態だ。

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