文科省が「コロナ禍でも対面授業」にこだわるせいで、大学で「大混乱」が起きていた

田中 圭太郎 プロフィール

各大学の対面授業の状況を公表して、実施率が5割未満の大学には対面授業の実施を強く求める萩生田大臣の強硬な姿勢には、大学関係者からも反発する声が上がっていた。

しかし、それでも今年4月の新年度のスタートに向けて、対面授業実施の要請はさらに強まった。文科省は3月4日、「令和3年度の大学等における授業の実施と新型コロナウイルス感染症への対策等に係る留意事項について(周知)」と題した文書を各大学に通知。「地域の感染状況等も踏まえて十分な感染対策を講じた上で、対面授業の実施について適切に取り組むこと」を前提に、速やかに対応を決定するよう求めた。

すると、文科省が通知した翌日の3月5日に「原則」対面授業の実施を表明する大学が現れた。今年の入試で志願者数日本一を誇り、大阪府東大阪市のほか4県にキャンパスがある近畿大学だ。理事長は経済産業大臣も歴任した、自民党の世耕弘成参議院議員が務める。ただ、対面授業を「原則」としたことが、混乱の始まりだった。

 

突然の方針転換に教員らが混乱

「各学部の教員は、対面とオンラインを併用して授業ができるように、かなり緻密に準備を進めていました。それが、3月5日に突然、原則対面授業の方針が打ち出されたことで、それまでの準備が全部ひっくり返されました」

こう話すのは近畿大学教職員組合の関係者。近畿大学は今年1月の時点で「新年度からキャンパスに学生を呼び戻すことを目指す」と表明し、各学部では今年4月から何とか対面授業を増やそうと協議を重ねていた。対面とオンラインの組み合わせなど、4通りの授業の方法を考えていたという。

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