〔PHOTO〕Gettyimages

文科省が「コロナ禍でも対面授業」にこだわるせいで、大学で「大混乱」が起きていた

新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した昨年4月以降、多くの大学ではオンライン授業中心の状態が続いた。1回目の緊急事態宣言解除後は、小・中学生、高校生が通常通りに登校していた一方で、大学では入学後一度もキャンパスに通えない学生も多く、授業の再開を求める声が学生や保護者から上がっていた。

この状況に対して、萩生田光一文部科学大臣は昨年秋以降、全国の大学に「感染対策を講じた上で、可能なものは対面による授業の実施を検討していただきたい」と、対面授業の再開を強く要請。各大学の状況を調査して、対面授業が5割未満の大学については具体的な対応状況を公表した。

確かに感染者数が少ない時期には、対面授業は実施できたかもしれない。しかし、萩生田大臣の要請が影響したのか、「第4波」の感染が拡大した4月から「原則」対面授業の実施にこだわったことで、複数の大学で混乱が見られている。その一つ、近畿大学の状況を取材した。

 

萩生田大臣が対面授業の実施を強く要請

「対面による授業の実施も検討していただきたい」

これは萩生田文部科学大臣が昨年秋以降、大学に対して発してきた言葉だ。コロナ禍で大学の授業がオンライン中心になっていたことを受けて、感染対策を講じた上で対面授業を求める考えをたびたび示してきた。

萩生田大臣〔PHOTO〕Gettyimages

昨年11月19日には東京都内で、国公私立大学の学長に対面授業の再開を直接要請。12月には、10月20日時点での各大学の授業の状況を公表した。対面授業が5割に満たなかった大学はその対応が詳細に公開された。

オンライン授業が中心の大学は、感染拡大の懸念があった首都圏や関西、北海道などの大学が多い。大学関係者を取材すると、クラスター発生の懸念があること、国の予算措置がなく感染防止対策に限界があること、高齢の教員や基礎疾患がある教員からの反対が根強いことを訴える声が聞かれた。

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