まさかの訴訟トラブルにも遭遇

日本での経験値と現地でのアグレッシブな活動によって、なんとか事業が回り始めたが、そんな矢先、小菅さんは思いもよらないトラブルに見舞われた。

「ある時から協業していた現地企業が報酬を支払わなくなり、職業倫理に反すると思われるような言動も見られるようになったため、証拠を集めてプロジェクトから外れてほしいと相手に伝えました。その後、その企業は倒産してしまったため、未だに未払い分が振り込まれず頭を抱えています」

現地でできた初めてのパートナー企業だっただけに、「ショックが大きかった」という。

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「フィンランドには日本以上に人とのつながりや信頼関係を大事にする風潮があり、仕事の多くが紹介で決まるような社会です。だからこそ彼らを信頼していたし、今後も一緒に事業を育てていきたいとさまざまなディスカッションも進めていた。そんな気持ちを踏みにじられただけでなく、時間や金銭などさまざまな損失もかぶっており、非常にツラい思いをしました」

未払い金の問題が解決していないため、現在も小菅さんは弁護士とのさまざまなやり取りを続けているという。信頼重視のフィンランド社会では、このようなトラブルはあまり聞かないらしく、「運が悪かった」と小菅さん。

筆者も規模は小さいが海外企業との仕事で未払いのトラブルに見舞われたケースがあり、そのときの心細さやストレスは日本で味わうものとは比にならないことを痛感した。異国での起業をはじめ、大胆なチャレンジにはどうしてもリスクがついてまわる。失うものやショックは大きいが、嘆いていても何も変わらない。自ら解決策を見出して現実に立ち向かうしかないのだ。