大炎上かつ大絶賛…アメリカで一番流行っている曲の「過激さの正体」

リル・ナズ・Xが問いかけるもの
池城 美菜子 プロフィール

ゴスペル・シンガーの父親をもつリル・ナズ・Xは、「10代は絶対に悟られないように過ごしていた」という。彼が話題作りに長けているのは事実だが、カミングアウトは一過性のバズのためではない。「同じ悩みを抱えている、僕より若い人たちのためにカミングアウトした」と明言しているのだ。

25歳以下のLGBTQの若者をサポートする非営利団体トレバー・プロジェクトの調査によると、全米の10〜24歳までの若者の死因の第2位が自殺であり、中でもLGBTQの若者による自殺未遂は、ヘテロ・セクシュアルの若者のそれに比べて4〜6倍と深刻である。

ビヨンセの夫のジェイ・Zがリル・ナズ・Xのインスタに登場したり、セカンド・シングル「Rodeo」のリミックスに元祖Nasが参加したりするのは、彼がカミングアウトした意義をよく理解し、大御所として支えたいからだろう。

一方、同性愛嫌悪を示す同業者も少なからず存在し、最近ではレジェンド・ラッパーのDMXが亡くなった際、「ああ、神様、(殺すのは)DMXじゃなくてNas Xって頼んだでしょ」とラッパーのサダ・ベイビーがインスタに投稿、すぐに削除した。

 

「聖と性」をテーマにしたミュージックビデオ

ここまでを踏まえて、「モンテロ」のミュージックビデオの解説に入りたい。

曲の内容は、歌詞を引用して和訳をつけるのをためらうほどセクシュアルだ。だが、過激な歌詞のヒット曲が多い中、リル・ナズ・Xは「男同士のロマンスだって、似たような表現をしたっていいでしょ」と主張したわけだ。

話題作りのために、ナイキ・エアマックス97を無許可でカスタムした人血入りとの「サタン・シューズ」を限定販売して大炎上、ナイキを敵に回した件は広く報じられた。

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