新型コロナウイルスの陽性反応で参加を断念する練習生も

選ばれた先のコメントで、お世話になった練習生の名前を具体的に挙げるメンバーが2名だけいた。25位の松田迅と15位の池崎理人だ。池崎はこうコメントする。「初回グループのT-RAPでずっと僕を育ててくれた(ラップの得意な)中野海帆くん、僕を選んでくれた上原貴博くんをはじめとするAGEHAチームのみんな。その人たちのおかげで今の僕があると思っています」。名前を呼ばれた練習生は、思わずガッツポーズ。仲間同士の気持ちの通ったワンシーンだ。

左から安積夢大、踊っても歌の表現がブレない高塚大夢、ラップの上手い中野海帆 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

10位前後の練習生は人の期待を一身に感じ、デビューに手の届く位置につけていることもあるからだろう。いい意味で欲のあるコメントが多かった。GENERATIONS from EXILE TRIBE 『AGEHA』でのステージで108票を勝ち取った8位の高塚大夢は、今の順位に感謝しつつ「僕が目指しているのは、デビューしたその先」と話す。

また高い人気を誇りながら、ダンス・歌の実力が伴わずにもがく佐野雄大は7位。「僕が成長できる時間を与えてくださったことを本当に感謝しています。絶対にデビューします」と、力強く決意を語った。3位はグループバトルでダンスに苦戦しながらも、持ち前の高音ボーカルが光った藤牧京介。そして2位と1位は、ほぼ不動の田島将吾と木村柾哉だった。

2位キープの田島将吾 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

ラストは40位と41位。40位に滑り込んだのは内田正紀。BTS『I NEED U』のグループバトルではリーダーを務めた。41位はBTSの事務所HYBE(旧:Big Hit Entertainment)の元練習生、高橋航大だった。しかし、番組の最後で番狂わせが起きる。黒地に白文字の画面で告げられたのは、17位にランクインながらも、新型コロナウイルスの陽性反応で順位発表式を欠席した古瀬直輝が参加を断念するという報せ。同時に41位の高橋航大が、繰り上げで40位圏内に入ることとなった。

3位の藤牧京介 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

Twitterには日付が変わっても「古瀬くん」がトレンド入りしていた。私も彼に投票した1人で、番組終了後に何とも言えない気持ちになり、家の中を意味もなく歩き回ってしまった。グループバトルの練習中に周りに厳しい意見も言えて、仲間の目線を変えさせた貴重な練習生だ。彼が17位となったことを心の底から喜んでいた私は、グループとしてどう立ち向かうのか、その過程を国民プロデューサーはよく見ているのだと思った。

参加を断念することとなった古瀬直輝 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

それだけに涙ながらに語られた彼のコメントを聞いた時、胸の締め付けられるような思いがした。「このような形で皆さんの応援を裏切ることとなり、本当にごめんなさい。コロナは怖いです。いつ襲ってくるかわかりません。僕は必ずこの苦難を乗り越えた姿で、また輝く古瀬直輝としてステージに立ちます。約束します」。人生を賭けた挑戦が無になってしまうコロナウイルスの恐ろしさを痛感するとともに、彼と同じくコロナ禍でチャレンジが叶わなかった多くの人のことを想像した。