最大勢力を誇った五代目山口組幹部たち(写真 眞弓準)

半世紀にわたる山口組取材の「裏側」をいますべて明かすわけ

度重なる襲撃を超えて

暴力団取材の第一人者溝口敦氏がヤクザ取材の生々しい修羅場をはじめて記した新刊『喰うか喰われるか 私の山口組体験』が発売となった。自らのみでなく息子まで襲われながら、ひるまず立ち向かい、ついには和解金までせしめた溝口氏の覚悟とは?

世の中、四角四面でないほうが過ごしやすい

 途中、フォローしていなかった時期もあるが、私はほぼ五〇年間、山口組を見てきた。いま、一応自分の気持ちに整理をつける意味でこの本を書いたが、書き終えて、五〇年間、私は山口組を相手に遊んでいたのではないかという気がする。たしかに一時期、組員に殺傷されるのではないかと恐れ、緊張する局面もあったが、過ぎてしまえば遠い日の悪夢でしかない。

 

 山口組はご存じの通り日本を代表する暴力団だが、憎むべき敵、壊滅すべきだ、と言い切れない曖昧さを、私は心のうちに感じている。彼らがいなくなっても、壊滅しても、社会はいっこうに困らないと考える一方、この世に少しぐらい彼らのような遊侠の徒がいてもいいんじゃないかとも感じる。権力を持って悪いことをする人より、彼らのほうが可愛げもあるし、救いもある。世の中、四角四面でないほうが多くの人にとって過ごしやすいのではないか。

司忍六代目山口組組長

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