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連続起業家が考える「黒字化できたか、できなかったか」より大切なこと

だから「起業は意志が10割」
コロナ禍で社会が変わり、新規事業がたくさん生まれている。スタートアップにチャンスが巡ってきただけでなく、本業消滅の危機に直面した大企業は新規事業へのシフトに必死だ。しかし、それらを成功させるのは今も昔も容易ではない。新規事業を成功させるのに本当に大事なことは何なのか。最もくわしいのは連続起業家(シリアル・アントレプレナー)と呼ばれる実業家たちだ。中でも守屋実氏は30年間で52もの新規事業立ち上げにかかわり、成功も失敗も数多く経験してきた。それらリアル過ぎる経験を盛り込んだ新刊『起業は意志が10割』から「起業に大事な9つのポイント」を9回にわたってお届けしたい。新規事業に限らず、これらはプロダクトをヒットさせるヒントでもあり、チームリーダーやPMをサポートする人にとっての心得でもある。

9つのポイント9 成功と失敗の定義

「起業に大事な9つのポイント」の最後は、成功と失敗の定義についてお伝えする。その前に、少しだけ復習をしよう。お伝えしてきたのは、この8つのポイントだった。

1 起業は意志が10割
2 顧客から考える
3 イシ・コト・ヒト・カネ
4 コト=勝ち筋の確立
5 ヒト=仲間と場所の力学
6 カネ=もっとも大事
7 一筆書きの高速回転
8 報酬の4つのステップ

どれも僕自身が連続起業する中で、意識して臨み、そして振り返ってきた大事なポイントだ。それぞれの段階で経験した起業を、「果たして、この起業は成功だったのか、失敗だったのか?」と、振り返ることがある。

わかりやすい基準のひとつは、「黒字化できたか、できなかったか」である。「上場できたか、売却できたか」という基準もあるかもしれない。どちらも「経済的な評価指標」で、白黒がハッキリつくので、見解の相違や評価のブレが生まれにくい。使い勝手がいい基準だといえる。

しかし、僕は何度も何度も起業を重ねるたびに、もっと別のところに成功と失敗のちがいがあると考えるようになっていった。

 

それは、
「成功とは、着手しきれた時、失敗でも十分にやった時」
「失敗とは、着手しなかった時、実行を見送り続けた時」
である。

つまり、事業の成功と失敗は、起業した自分自身が「どう考え、どうあったか」という部分に収斂されていく。だからこそ、起業はまず「意志が10割」なのである。僕は、30年専ら起業し続けてきた結果、普遍的な価値である起業家としての心根に辿り着いたと考えている。

ポイント◆
成功=着手しきれた時、失敗でも十分にやった時
失敗=着手しなかった時、実行を見送り続けた時

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