投薬で進行を抑えても小さくならない卵巣の嚢胞

「ですが、宮島さんはまだ独身ですし、今後妊娠する可能性がある年齢です。そのことを考えると手術しないで済むならその方がいいので、半年くらい薬で排卵を抑制して様子を見ましょう」

薬を服用していれば子宮内膜症がひどくなることはほぼなく、半年の間に嚢胞が小さくなってくれれば手術しなくてもいいというのです! この段階でもそんな方法があったのか!と、私は前のめりで赤ベコのように頷いていました。

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主治医からは、黄体ホルモン療法の「ジエノゲスト」という薬を提案されました。月経困難症の治療に使われるお薬です。知っている、または今すでに飲んでる!という方もいらっしゃるかと思います。朝晩1錠ずつを毎日服用します。

私の場合は、不正出血(これは半年間ごく少量がほぼ毎日)、頭痛や眠気・肩こり(初めの頃)、といった副作用が出ましたが、毎月の重い生理痛やあの突然の激痛の恐怖に比べたら、天と地の差!

生理がないので下腹部の痛みもほぼなく、悩みのひとつだった排便痛も軽くなりました。ネット検索してみると、実際にこの薬を服用して子宮内膜症が小さくなったと報告されている方もいて、期待が膨らみました。

投薬を始め、定期的に卵巣の大きさを見ていくことに。

1ヵ月後、大きさ変化なし
3ヵ月後、大きさ変化なし
6ヵ月後、大きさ変化なし……。

「手術しましょう」と担当医。

投薬を続けても私の卵巣の嚢胞は、残念ながら小さくならなかったのです。
投薬を続けた6ヵ月の間、なかなか小さくならない嚢胞を抱え、私の心に手術を拒む感情はもうすでにありませんでした。

ついに、2ヵ月後の腹腔鏡下手術が決定。
コロナ禍、2021年の新年を迎えたばかりの出来事でした。

コロナ禍に検査を重ね、手術に踏み切った宮島さん。写真提供/宮島咲良
【主治医の解説】
子宮内膜症の治療には大きく分けて、薬による治療と手術があります。薬では、一般的に低用量ピルもしくは、黄体ホルモン薬のジエノゲストが使用されます。ともに長期に使用することで、エストロゲンという女性ホルモンの分泌を抑えて子宮内膜症の縮小と症状の改善を図る薬剤ですが、作用の仕方や副作用の種類が異なります。

子宮内膜症のサイズが大きい場合や薬で効果が認められない場合は、手術を検討しますが、妊娠の希望や卵巣の状態により方法が変わります。現在では、腹腔鏡を用いて子宮内膜症の病変部分のみを取り除き、卵巣正常組織を残す手術を行う事が一般的です。

個々のケースにつき治療は異なりますので、産婦人科の医師とよく相談してください(柳田医師)。