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バイデン政権の対中強硬姿勢を「プロレス」と見るべきこれだけの理由

ただし、負けてもいいとは思っていない

強硬姿勢は本質ではない

バイデン政権の対中政策は、一見するとトランプ政権の流れを引き継いだ強硬なもののように見えるが、それが本質なのか、あるいはそうではないのかについて考えてみたい。

バイデン政権の対中姿勢は確かに勇ましそうに響く。レモンド商務長官は、自身の商務長官としての承認を得るための議会の公聴会で「バックドアの影響から米国民と我が国のネットワークを守るため、私の裁量で強力な手段を最大限行使する」などとファーウェイをはじめとした中国の脅威に対して全力で立ち向かう姿勢を示した。

イエレン財務長官もやはり同様の議会の公聴会で「不当廉売や貿易障壁、不平等な補助金、知的財産権の侵害、技術移転の強要など、中国の不公正な慣行は米企業の力をそいでいる」とした上で、「政権横断で、あらゆる手段を講じて対抗する」と述べた。

ブリンケン国務長官もやはり同様の議会の公聴会で、ウイグルで起こっていることを「ジェノサイド」だと認めたトランプ政権の路線を引き継ぐ形で、これを「ジェノサイド」であると表明した。ブリンケン国務長官はまた、台湾についても「世界にも貢献可能な強力な民主主義国家」という言い方で、台湾を国家だと認める発言を行った。

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これらの発言を聞いて、「バイデン政権、意外とやるじゃん!」と思った人も多いだろう。

だが、中国に対してあらゆる手段を講じて対抗することを表明していたはずのイエレン財務長官は、中国を為替操作国として認定して制裁を課すことは見送ったし、ファーウェイの脅威に全力で立ち向かうとしていたレモンド商務長官は、ファーウェイを取引禁止のエンティティリストに残すかどうかを尋ねられると明言を避けた。

ブリンケン国務長官は、新型コロナに関して「未来志向」から、中国政府が行った不透明な初期対応を大きな問題としては扱わず、中国に懲罰的処置は取らない姿勢を示した。ウイグルでのジェノサイド認定については確かにアメリカは対中制裁を発動したが、ウイグル自治区の公安局幹部ら2人を制裁対象に指定しただけで、象徴的な意味合いを超えた痛手を中国に与えるものにはなっていない。

 

国務省のプライス報道官は、中国での人権侵害を懸念し、来年開催予定の北京オリンピックをボイコットする議論を同盟国などと協議したいと述べたが、バイデン政権はすぐさま、そのような協議を同盟国としたことはなく北京オリンピックに関する立場に変化はないとして、同報道官の発言を修正した。

国防総省のカービー報道官は 「尖閣諸島の主権に関する日本の立場を支持する」との発言を行ったが、この発言も撤回されている。

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