「断捨離」の提唱者であるやましたひでこさんは、実家や同居していた義母の抱える「親の持ち物」に大変苦労したのだそう。

大半は使っていない大量の食器、通販で買ったままの健康器具、タンスの肥やしになっている着物など……自分の部屋にあるモノはすべて捨てるも捨てないも自分の判断だけれど、親の持ち物を断捨離するとなると、どこから手をつければよいのか見当もつかない。両親が亡くなってからでは途方に暮れそう。
かといって元気なうちから親へ口出ししても抵抗され、実家へ帰るたびに溢れかえるモノの多さにうんざりしてしまうことも。

こんな「捨てられない」に隠された多くの悩みの声をやましたさんがスパッと答えてくれる本が『モノ・人・心の悩みが消えていく 断捨離道場』だ。

刊行を記念して、本書より抜粋してやましたさんの具体的な回答をご紹介する短期連載、5回目は「親のモノの断捨離」や「実家の断捨離」に関する悩み。あなたの実家はモノで溢れていないだろうか?

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「タメコミアン」の義母VS「ダンシャリアン」の私

Q1
義母と同居しながら断捨離するにはどうすればよいでしょうか。
夫の母と同居しているのですが、考え方も趣味もまったく違うのが悩みです。断捨離してせっかく快適な空間ができても、相談もなくモノを置かれるなどして、やる気をそがれます。
処分したい食器もたくさんあるのですが、どれも義母のお気に入りで勝手に処分できません。どうすればこの状況で断捨離を進められるでしょうか。
最後に使ったのはいつ?と言いたくなるような食器があることも Photo by GettyImages

A
価値観の違う義母さんとの同居がどんなに息が詰まるものか、私にもその経験があるのでお気持ちは痛いほど分かります。
姑嫁は永遠のテーマですが、今回のお悩みはモノを溜め込む「タメコミアン」の義母さんと、断捨離に励む「ダンシャリアン」のあなたとの戦い。しかし住空間には限りがあると同時に、時間も流れています。よって、今回の課題は「生活空間での縄張り争い」と、「生活時間での主権争い」であると言えるでしょう。

だから、「相談もなくモノを置かれる」「処分したい食器を溜め込む」といった、あなたをイラつかせる出来事は、ほんの表面上の問題でしかありません。そんな行動を数え上げていてもキリがなく、あなたの消耗も際限なく続いていくことになります。
だからと言って、「義母さんの行為を気にしないように」といった忠告ほど、虚しく響くものはありません。だってそれは、「諦めなさい」と言っているようなもの。それこそ、あなたを絶望的な気持ちに追いやってしまいますよね。

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実際に私も姑との同居時代に、実家の母から「相手は年寄り。先に逝く身なのだから辛抱しなさい」と言われ、「今の閉塞感があとも20年も続くのか」と、自分がとても惨めで可哀想に思えた経験があります。あの時ほど落ち込んだことはありません。
だからあなたにも、当時の私と同じ気持ちを決して味わってもらいたくないのです。
ですから、私はこう思うのです。あなた自身が、自分の心の奥底にある本当の気持ちに、もっともっと耳を傾ける必要があるということを。

「自分の城であるキッチンを思うようにしたい」「毎日の食事では自分の好みの器を使いたい」というささやかな気持ち。さらに、そのもっと奥にあるであろう「義母と同居せずに暮らすことができたら、どんなに良いだろうか」という、今まで封じ込めていた本当の気持ち。その両方を、自分自身で認めてあげませんか。

断捨離とは、不要・不適・不快なモノを取り除いていくことですが、それはモノに限ったことではありません。出来事にも人間関係にも通じることなのです。そのため、断捨離を始めると、見て見ぬふりをしていたことがどんどん浮かび上がってきます。そして、そこに向き合うことが状況を変容させるための第一歩なのです。