IZ*ONE解散…宮脇咲良が世界で活躍するには「韓国に戻る」しかない

松谷 創一郎 プロフィール

3人は韓国に戻るのか?

では、IZ*ONEから戻ってくる3人は今後どうなるのか。

この3人のなかで、やはりもっとも注目されるのはやはり宮脇咲良の動向だ。3月には、複数のK-POP大手のプロダクションとの契約交渉に入ったと報じられた。その可能性は十分にありうる。宮脇は、IZ*ONEのなかでもトップクラスの人気だったからだ。

しかも韓国人メンバーと異なり、彼女はHKT48の運営会社・Mercuryと長期契約を結んでいない。日本では、芸能プロダクションの事業者団体である音事協が、タレントとプロダクションの契約を最長2年との指針を出しているからだ。しかも48グループは本人が望めばすぐに“卒業”できる。K-POP大手から引く手あまたなのも当然だ。

矢吹奈子や本田仁美もおそらく同じ状況にある。矢吹はその透き通ったヴォーカルでチェウォンとともにIZ*ONEを鮮やかにし、AKB48ではさほど目立つ存在ではなかった本田はそのダンス技術でチェヨンとともに複雑なフォーメーションを支えた。ふたりは、日本のアイドルがもはや比肩できない水準に達している。そして宮脇と同じく、システム上はいつでも48グループを離れることができる。

よって、3人の選択はおおよそ想像できる。おそらく彼女たちは(コロナ禍しだいでもあるが)そのうち韓国に戻ることになるだろう。

 

結局、“パンドラの箱”だった

そうした状況で顧みなければならないのは、むしろ日本に3人を受け入れ先がほとんどないことだ。そのパフォーマンスのレベルが高すぎるために、日本では完全に浮いてしまう。大げさでなく、軽自動車のレースにF1カーが参戦するようなことになる。

日本に受け入れ先があるとすれば、K-POP水準の体制をしっかりと整えられるプロダクションだけだ。だが、すでに見てきたように、HKTやAKB、あるいは日本活動のIZ*ONEの運営会社ヴァーナロッサム(旧AKS)にそれを期待することは難しい。LDHのE-girlsも、ライジングプロダクションのフェアリーズも解散した。

3人の能力を十分に発揮できる場は、残念ながらいまの日本では限られている。あるとすれば、日本支社でNiziUを運営するJYPや、吉本興業と組んでJO1を運営しているCJ ENM傘下のLAPONEくらいだ。つまり、日本版K-POPの運営会社のみということだ。

2018年8月、『PRODUCE 48』の放送開始から2ヵ月が経った頃──。

筆者は、当時すでに行き詰まりを見せていたAKB48グループにとって、『PRODUCE 48』は最後の打開策であるのと同時に、間違いなく“パンドラの箱”だと述べた(「AKBが開いたパンドラの箱『PRODUCE 48』の代償と可能性」2018年8月3日)。当初から大きな可能性が見えていたのと同時に、早い段階から小さくない代償も生じていたからだ。

それから3年近く経過し、IZ*ONEの活動を確認してきたなかで見えてきたことをここまで書いてきた。その結論は、2年半前の予想と変わらない。

やはりAKB48の『PRODUCE 48』への参加は“パンドラの箱”だった。

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