IZ*ONE解散…宮脇咲良が世界で活躍するには「韓国に戻る」しかない

松谷 創一郎 プロフィール

日本のアイドルのはるか先を行く強い女性像

だがそれ以前に、グローバルな人気を獲得していたK-POPトップグループのメンバーが、日本国内だけで活動する人気凋落が著しいアイドルグループに戻って活動する可能性は低い。「K-POPがプロ野球だとしたら、AKBは高校野球」という秋元康の認識を借りれば、プロ野球で優勝争いをしていたチームの主力選手が、高校野球に戻ってプレーすることなどあるわけがない。

K-POPが常に目指してきたのは「音楽をちゃんとやるアイドル」だが、音楽よりも握手会を軸にメンバー個々のパーソナリティを売りにしてきたAKB48とは、そもそもコンセプトが異なる。

加えて、BLACKPINKやMAMAMOO、ITZYなどが魅せてきたK-POPのガールクラッシュムーヴメントは、従来の「アイドル」概念をさらに拡張させた。そこで見られる強い女性像は、男性への媚びを主題にしてばかりの日本のアイドルのはるか先を行くものだ。

たとえば矢吹奈子は、過去にHKT48で秋元康作詞の「アインシュタインよりディアナ・アグロン」(2016年)という曲で、〈難しいことは何も考えない 頭からっぽでいい〉〈女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい〉などと歌ったが、これなどは韓国でも欧米でも女性差別として決して許されない内容だ。48や坂道に限らず、日本の多くのアイドルグループはこうした古い男性観のなかに留まり続けている(全盛期のモーニング娘。のほうがずっと先進的だった)。

矢吹奈子〔PHOTO〕gettyimages
 

エンタテインメントがグローバル化するなかで、かように保守的な日本のガールズグループは一気に低調となった。その一方で快進撃を続けているのが、技術とコンセプトの裏打ちがあるK-POPや、日本版K-POPのNiziUであるのは当然の帰結だ。ファンに夢や希望を見せるのがアイドルの仕事だが、それはもはや中年男性に性的な媚びを売ることを意味しない(「『PRODUCE 48』が保守的な日本のアイドル像を破壊する可能性」2018年8月31日)。

「アイドル」概念はK-POPによってすでにアップデートされた。このことを強く自覚しないかぎり、今後も日本のアイドルたちは衰退し続けるだろう。

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