豪華客船タイタニック号、映画の沈没シーンは間違っていた? 船のプロが徹底検証!

“縦”ではなく“横”向きに沈んだ
播田 安弘 プロフィール

じつは、石炭庫の位置の問題は、タイタニック沈没の原因にも関係してくるのですが、それについてはのちほどお話しします。

ちなみに、タイタニックには巨大な煙突が4本ありますが、最後部の煙突は実際には機能していないダミーで、外観のバランスを考えて設置されたようです。

諸説ある「沈没の原因」

1912年4月10日、乗客と船員約2200人を乗せて英国サザンプトン港を出航したタイタニックは、4月14日深夜、北大西洋ニューファンドランド沖を航行中、前方に巨大な氷山を発見しました。大西洋には北極からしばしば氷山が流れ出ていましたが、当時はレーダがなく、乗員が洋上を見張るだけでした。月は出ておらず、星明かりのみだったので、接近するまで氷山の視認は困難でした。

Photo by iStock
 

22ノット(時速約41km)で高速航行中だったタイタニックにとって、氷山発見の報はすでに手遅れでした。すぐに左舷に舵を切りましたが、巨大な船では旋回しきれず、右舷船首部が氷山に接触しました。当時の船体は、鋼板の接続方法は溶接ではなく鋲接でした。氷山との接触によって鋲が外れ、あるいは緩み、右舷船側に亀裂が入りました。そこから徐々に浸水し、2時間40分後、タイタニックは大西洋に没したのです。

事故の直接の引き金になったのが氷山との接触であったことは確かです。しかし、これほどの大型客船が沈むにはほかの要因があったのではないかとの見方は根強くあり、タイタニック沈没をめぐってはさまざまな説が唱えられています。

なかにはタイタニックを所有するホワイト・スター・ライン社が保険金を得るために故意に沈めたとする陰謀説までありますが、いまだに確たる結論は出されていません。ここでは船の設計者としての視点から、どんな可能性がありそうかを探ってみたいと思います。

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