映画『タイタニック』の沈没シーン[Photo by gettyimages]

豪華客船タイタニック号、映画の沈没シーンは間違っていた? 船のプロが徹底検証!

“縦”ではなく“横”向きに沈んだ
1912年4月15日、英国から大西洋を横断して米国ニューヨークへ向かう初航海の途中で沈没した豪華客船「タイタニック号」。乗客乗員1513人(諸説あり)が犠牲になり、当時「史上最大の海難事故」といわれた悲劇の原因は、いまも謎に包まれている。『日本史サイエンス』(講談社ブルーバックス)で歴史の通説を科学の視点から覆した船舶設計の専門家・播田安弘氏が、あらためて事故を分析する。
 

109年前の沈没以来、タイタニックの悲劇は多くの映画や小説に描かれています。なかでも今夜の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送されるジェームス・キャメロン監督作品『タイタニック』(1997年公開)は、興行収入の世界記録を更新し、第70回アカデミー賞では作品賞など歴代最多の11部門を受賞しました。この映画によってタイタニックは「世界一有名な船」となったのかもしれません。

しかし、その沈没の原因については、いまだに多くの謎が残っています。長年にわたり船の設計に携わってきた筆者が今回、タイタニックがなぜ沈んだかを技術的に検証してみたところ、実際にこの船が沈むまでの経緯は、映画で描かれているものとはかなり違う可能性が出てきました。

豪華客船タイタニック号[Photo by gettyimages]

世界最大級・最速級の乗り物だった

ライト兄弟は1903年に初めての飛行に成功しましたが、20世紀初期の大西洋や太平洋の横断に使われていたのは、すべて船でした。とくに米国経済の発展により米英を結ぶ大西洋航路は重要性が高まり、ドル箱路線となっていました。タイタニック号はホワイト・スター・ライン社が大西洋横断のために新造した3隻の大型客船の2隻目として、1912年3月に完成しました。

まず、タイタニックの大きさをみていきます。船の大きさを表す単位は「トン」ですが、じつは船の種類によって、トンにもさまざまな種類があります。タイタニックのような客船や貨物船では、「容積トン」という容積を表す単位が用いられます。むかし使われていた100立法フィートの大樽が1容積トンで、「トン」は大樽を叩いたときの音といわれています。

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