税務署から突然「4000万円支払え」…夫を亡くした60代女性が命じられたワケ

江幡 吉昭 プロフィール

田中さんは顔を真っ赤にし、妻を無言で睨み付けました。田中さんは子供の頃から勉強のできるいい子として育ち、医者として周りから尊敬を集めてきました。人に侮辱されることもなければ、自分が悪かった、と謝った経験もありません。

そんな彼が自分のプライドをみんなの前で木っ端みじんに破壊されたのです。怒り心頭で顔を真っ赤にした田中さんは「うるさい!!」と怒鳴ってそのまま席を立ってしまいました。

そして、いつものように好きな釣りに出かけて、そのまま川でおぼれて死んでいるのが見つかったのは、その翌週の週末のことでした。田中さんの家族は、突発的に自殺したのではないかと考えたのも、そうした事情があったからなのです。

田中さんの死亡から2年が経ったある日のこと、税務署から田中さんの相続に関しての税務調査が入りました。

内容は、相続税とは別に田中さんの妻や長男次男は合計4000万円程度の税額を支払う修正申告をするように、というものでした。理由は、名義保険と名義預金です。

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つまり、こういうことでした。

前にも述べたように田中さんの妻は、愛人の存在を知って以降、少しずつ田中さんの預金口座から自分と息子の口座に、お金を移動していましたが、税務署の判断ではこれらはすべて「田中さんの財産であり、田中さんの相続財産として申告されていないため、申告された税額では過少である」、と指摘されたのです。

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