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# 環境

環境対策で急浮上した「国境炭素税」が、日本にとって「もろ刃の剣」と言える理由

抗えば世界から報復を食らう可能性も…

中国は温暖化ガス削減どころか…

トランプ米大統領時代に形骸化しかけた、世界的な気候変動対策作りが修復軌道に乗った。

バイデン大統領が4月22日からの2日間、40の国と地域が参加するサミット(首脳会議)をオンラインで開催し、もともと野心的な目標を掲げていたEU(欧州連合)に続いて、米国、英国、日本、ロシア、インドなどが相次いで2030年までに温暖化ガスの排出量をこれまでより踏み込んで減らす方針を表明。世界が具体的な行動に向けて舵を切ったのである。

そうした中で違和感が際立ったのが中国だ。米欧日との対立激化に歯止めをかけたいとの思惑があったのだろう。中国の習近平国家主席はサミットに参加した。しかし、「2030年までにピークアウトし、2060年までに実質ゼロにする」という目標をまったく変えなかったのだ。

先進各国が2030年までに4~5割前後の削減、ロシアが同じく1990年比で7割削減と、それぞれが高い目標を打ち出したにもかかわらず、中国だけが当面、削減どころか排出量を増やし続けると宣言したのである。

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中国は、世界全体の4割前後を排出する温暖化ガスの排出大国だ。その中国がこうした態度を取り続ければ、気候変動対策は地球規模でしり抜け状態になりかねない。

中国に再考を促すためにも急務になっているのが、国境炭素税の世界的な枠組み作りだ。国境炭素税は、もともと新型コロナウイルス対策のための巨額の財政支出を穴埋めする財源としてEUが導入方針を打ち出したものだ。

そのポイントは、温暖化対策が不十分な国からの輸入品に課税し、気候変動対策のただ乗りを排除しようという点にある。

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