塩芳軒
季節の蒸菓子

消えゆくからこそ愛おしい
日本人の美意識に寄り添う菓子

上から時計回りに、きんとん、わらび餅、羽二重。各¥400~/塩芳軒(☎075-441-0803)

1882年の創業以来、京織物の街・西陣に暖簾を構える御菓子司。茶の湯の席で求められることも多い「季節の蒸菓子」には、長年にわたって培われてきた京菓子の歴史と技術が凝縮されている。なかでも、白あんや小粒あんなど、そのときどきのあんを包んだ羽二重は、マシュマロのようなフワフワ食感。口の中で瞬時にとけていく儚さに、日本ならではの「美」が表現されている。

塩野
季節の生菓子

うつろう自然との共生を寿ぐような
生菓子の「銘」も味わいのうち

上品なあんの風味。上から時計回りに柚子饅頭、きんとん、菊の生菓子、花衣、川に紅葉。各¥400/塩野(☎03-3582-1881)

日本には古来、先に祝うことで福を呼び込む予祝の文化がある。季節を先取り、花鳥風月の姿をかたどる和菓子にもその心は息づく。咲き誇る桜のはなびらを模した生地で黄身あんを包んだ「塩野」の代表作、花衣を見れば春の訪れを感じずにはいられない。菓子につけられた銘も含めて、季節感を大切にする「日常的な上質さ」と「感性」、職人による「クラフトマンシップ」が詰まっている。

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アトリエうかい
フールセック

まるで宝石箱のような
焼き菓子の詰め合わせ

見た目も楽しい1缶。フールセック・小缶(クッキー詰め合わせ)¥2500/アトリエうかい エキュート品川(☎03-3280-5505)

食後のプティフールが評判となったことから生まれた「アトリエうかい」は関東中心にレストランを展開する、うかいグループの洋菓子店。素材から最大限に旨みを引き出して作られる焼き菓子は、どれも風味満点! ホロホロ、サクサク、カリッと食感の違いも楽しく、見た目の「美」「日常的な上質さ」も持ち合わせたひと缶だ。

赤坂柿山
おかき

木桶で寝かせた秘伝のタレで
仕上げた滋味深い米菓子

おかき箱入り¥1080~、食べ切りサイズ¥108~など種類も豊富。赤坂柿山 赤坂総本店(☎03-3585-9927)

パリッと小気味よい嚙み心地、香ばしい風味。その秘密は立山の清水と豊かな土壌で育った富山県特産の品種、新大正もち米を用いるから。そして、精米した瞬間から風味が飛ぶことを防ぐため、その日使う分だけを精米するから。米菓の贈答品として長年、支持されてきた「信頼」の味は、日本のおかきの決定版。甘いものが苦手な方にも喜ばれるはずだ。

くろぎ茶々
常葉 白練

注文後に作り始めるできたてをお届け
抹茶をベースにした新感覚の和菓子

抹茶のほろ苦さとクリームチーズの酸味が絶妙。好みで、鶯きな粉と黒蜜を添えて。常葉 白練 ¥2916/くろぎ茶々(☎03-6264-5754)

常葉 白練は1年先までディナー予約が埋まっているという割烹、東京・芝大門「くろぎ」と、京都の老舗茶舗「福寿園」のコラボレーションによるブランド「くろぎ茶々」の代表作。風味のよい宇治抹茶と吉野の本葛を使用した葛羹に国産クリームチーズの出会い、1日20食のみ出荷の限定品との出会いという意味で、二重三重の「幸運・僥倖」を食べ手にもたらしてくれる。

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村上開新堂
寺町バニラプリン

手作りの品に日本人の魂がこもる
これぞ、ジャパニーズ西洋菓子

マダガスカル産バニラビーンズの甘い香りとカラメルソースのほろ苦さがマッチ。寺町バニラプリン¥497/村上開新堂(☎075-231-1058)

明治40年(1907)、京都・寺町二条に創業した西洋菓子舗。ロシアケーキをはじめ、文明開花の香り漂うラインアップの最新作がこのプリン。2015年に35年ぶりの新製品としてリリースされたという「幸運・僥倖」。老若男女に愛される「日常的な上質さ」。蠟引きひもをあしらった包み袋入りという「美」と「感性」に拍手したい。

HIGASHIYA
ひと口果子

萌葱、濃紫、鳥の子……古式ゆかしく
日本の伝統色の名を冠した小さな果子

節気ごとに登場する季節限定アイテムもチェックしたい。ひと口果子 真¥2268/HIGASHIYA(☎03-5724-4738)

和菓子のルーツは縄文時代に食べられていた木の実や果物にまで遡れるとか。そんな太古の記憶に想いを馳せて作られたのが、ナッツや果実を使ったひと口果子だ。ナツメヤシとクルミに発酵バター、抹茶あんにレーズンといった組み合わせが新しい。和菓子にモダンデザインという「感性」を導入した功績は大きく、ミニマムなルックスも含めて賞味してほしい。

下鴨茶寮
ちりめんナッツ

お茶請けにも酒肴にも
シーンによって七変化

牛乳やジュースとも合ってしまう、懐の深い味わいが魅力だ。料亭のちりめんナッツ(5個入り)¥1080~/下鴨茶寮オンラインショップ(☎075-692-2003)

創業安政3年(1856)という京都の料亭によるおもたせシリーズから、おやつにもおつまみにもなる一品をご紹介。クルミやクコの実、ブルーベリー、ちりめんじゃこなどに粉山椒を絡めた一品は見事なバランス。コーヒーや紅茶、シャンパンやワイン、日本酒やウイスキーにもマッチする。常備すればQOLが上がる「日常的な上質さ」はさすが。

●情報は、FRaU2021年5月号発売時点のものです。
※本記事で紹介している商品の価格は一部を除き消費税を含んだ金額です。なお一部の商品については税込価格かどうか不明のものもございますのでご了承ください。
Photographs:Masuhiro Machida(塩芳軒) Text:Taeko Terao Edit:Kaori Shimura , Nirai Ikeshiro , Motoko Saito Logo Design:Tomo Asahina