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起業家にはよく見える「大企業の新規事業が失敗するこれだけの理由」

会議が多すぎ、しかも社内には敵だらけ
コロナ禍で本業消滅の危機にある業種、脱炭素で伝統的な手法そのものの見直しを迫られる製造業はじめ、今ほど大企業で新規事業が求められる時代はなく、その底力が発揮されればポテンシャリティは大きい。しかし、新規事業のプロから見ると、大企業の新規事業は失敗の繰り返しだ。その原因はどこにあり、どうすれば結果が出るのか。新規事業家の守屋実氏の著書『起業は意志が10割』からご紹介しよう。

大企業にはユニコーンがたくさんいる

正直な話、大企業での新規事業の成功は簡単なことではない。しかし僕は、大企業のそれを諦めたくないと思っており、大企業が持つ力は甚大だと信じている。

たとえば、JR東日本グループが展開している事業として、Suica事業がある。JR東日本グループ沿線にお住まいの方ならば、多くの方がSuicaを持っているだろう。この事業は、明らかにユニコーンである。もちろんJR東日本グループが提供しているカードサービスであり、株式会社Suicaというスタートアップがあるわけではないのだが。

同じく、セブン–イレブン・ジャパンが展開するセブンカフェもユニコーンといえるかもしれない。こちらも株式会社セブンカフェというスタートアップがあるわけではないが。他にも大企業の中のユニコーン的な新規事業は多く存在する。こう考えると、大企業の新規事業が我が国に及ぼす影響は大きく、日本の再びの成長に大企業における新規事業が担う部分は大きい。だから、これからも大企業の社内新規事業の非常勤メンバーとして参画させてもらえる機会を得たいと考えているし、実際に参画をさせてもらっている。

 

では、大企業の新規事業に参画する僕が見つけた失敗の学び「3つの切り離し、2つの機能、1人の戦士」について、説明をしよう。

1 3つの切り離し:大企業病に染まらないために

「3つの切り離し」とは、大企業の中で新規事業を立ち上げる前に3つほど切り離すものがあるという学びだ。

大企業には、大企業にまで成長を押し上げた優良で強靱な本業がある。その本業が強ければ強いほど、そして長年続けていればいるほど、組織の隅々、参画者の全員が、「本業組織、本業人材」となっている。これは至極当然のことだし、だからこそ、その本業が強くあり続けることができる。

一方、当然ながら新規事業は本業ではない。つまり、本業≠新規事業、本業組織≠新規事業組織、本業投資≠新規事業投資、ということになる。この当たり前の構造が起因して、新規事業はすべて「本業の汚染」に遭っている。だから、新規事業を本業から切り離す必要があるのだ。

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