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起業するなら、カネに換算できないものも「カネ」と見る嗅覚を鍛えよ

収益の元は「売り上げ」だけじゃない
コロナ禍で社会が変わり、新規事業がたくさん生まれている。スタートアップにチャンスが巡ってきただけでなく、本業消滅の危機に直面した大企業は新規事業へのシフトに必死だ。しかし、それらを成功させるのは今も昔も容易ではない。新規事業を成功させるのに本当に大事なことは何なのか。最もくわしいのは連続起業家(シリアル・アントレプレナー)と呼ばれる実業家たちだ。中でも守屋実氏は30年間で52もの新規事業立ち上げにかかわり、成功も失敗も数多く経験してきた。それらリアル過ぎる経験を盛り込んだ新刊『起業は意志が10割』から「起業に大事な9つのポイント」を9回にわたってお届けしたい。新規事業に限らず、これらはプロダクトをヒットさせるヒントでもあり、チームリーダーやPMをサポートする人にとっての心得でもある。

9つのポイント6 カネ=もっとも大事

「起業に大事な9つのポイント」6つ目はおカネについて。「イシ・コト・ヒト・カネ」と書いた通り、「カネ」の出番は最後だ。「カネより意志だ」とはいっていないが、「イシ・コト・ヒト・カネ」の順だということは、「相対的にカネは重要ではない」といっていると思われても仕方ない表現かもしれない。

とはいえ、当たり前だが、起業とカネの関係性は深い。企業経営はあらゆることにカネがかかる。たとえ、経済活動ではなく、NPOのような社会活動であったとしても、必ずマネタイズの仕組みを構築しなければ継続していくことはできない。

僕は独立した際、ラクスルと同時期にケアプロという会社の経営に参画した。ケアプロは、予防医療事業を推進する会社として、いわゆるソーシャルベンチャーの先駆けであった。日本では、生活習慣病から重篤な症状に陥ったり、重病を併発したりする人が少なくない。これは、国の財政を大きく逼迫させる要因となっている。ケアプロはこの状況をなんとか打開したいと考え、2007年に創業した。健康診断に行かない人、もしくは行けない人に、健康診断を受けてもらい予防サイクルを身につけてもらうことが事業の目的だ。

 

ご想像の通り、この事業のマネタイズは難しい。健康に興味のない人に興味を持ってもらい、お金を払って予防医療に努めてもらう社会貢献的なビジネスだからである。投資らしい投資をせず、すべての無駄を削りながら走り続けたが、マネタイズするまでに数年を要した。

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