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仲間集めがうまい人は、必要な人がいる場所がどこかを知っている

新規事業家がやっている人材の集め方
コロナ禍で社会が変わり、新規事業がたくさん生まれている。スタートアップにチャンスが巡ってきただけでなく、本業消滅の危機に直面した大企業は新規事業へのシフトに必死だ。しかし、それらを成功させるのは今も昔も容易ではない。新規事業を成功させるのに本当に大事なことは何なのか。最もくわしいのは連続起業家(シリアル・アントレプレナー)と呼ばれる実業家たちだ。中でも守屋実氏は30年間で52もの新規事業立ち上げにかかわり、成功も失敗も数多く経験してきた。それらリアル過ぎる経験を盛り込んだ新刊『起業は意志が10割』から「起業に大事な9つのポイント」を9回にわたってお届けしたい。新規事業に限らず、これらはプロダクトをヒットさせるヒントでもあり、チームリーダーやPMをサポートする人にとっての心得でもある。

9つのポイント5 ヒト=仲間と場所の力学

「起業に大事な9つのポイント」の5つ目は、「ヒト」についてお伝えする。それはつまり、「共感した仲間」についてだ。

起業のスタート時から、自分の足りない点を補ってくれる優秀な仲間が勝手に集まってくる、なんてことはあり得ない。たとえば、今はDXが注目されているから、その分野の優秀で実績ある経験者を揃えられたら、それだけで会社がバージョンアップしたような気がするだろう。しかし、そんな人材はただ待っているだけではやってこない。今、ほしい人材は集中している。優秀な人材の採用は、いつだって難しいのだ。

ただし、ヒトがいないから最初の一歩を踏み出せない、なんてこともない。必要な人材が社内にいなくても、「生態系」を持つことで人材の力を担保すればよいのだ。生態系とは、つまり、「この分野だったらこの人に相談しよう」「これはあの人に頼むとうまくいくかもしれない」など、困った時や事業を進める時にパッと顔が思い浮かぶような人々との「信頼のつながり」である。

 

わかりやすい例で説明しよう。僕はメディカル領域で規制に挑むような事業を立案することが多い。僕は医師でも看護師でもないから、こうした領域で事業を起こすには必然的にさまざまな医療関係者の力が必要となる。「違法ではないのですが、適法とも言い切れず、どう解釈したらよいですか?」など、その道に詳しい人ならわかることが、僕にはわからないということも多い。

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