わずかな「お得」に振り回される人生

かく言う私は、ポイントカード類は一切作りませんし、クーポン券も一切もらいません。なぜなら、ポイントカードによって私たちが得られる「利益」は、お店にとっては「不利益」だから。私は、そのお店の商品が好きだから、気に入っているから通っているのであって、そこでもらえる小さな特典が欲しい訳ではないのです。
これに気づいたのは、あるお気に入りのパン屋さんでのこと。個人商店であるそのお店では、お客様においしいパンを提供するために、職人さんが朝から晩まで休みなしに働いています。でも、手間ひまかけて焼き上げたそのパンひとつ売ることで、得られる利益はいかばかりか。その上、ポイントまで提供するなど、もはや「過剰サービス」の域であると感じたのです。
それに気づいた時、「私はあなたのパンが『美味しくて』買いに来ているのだから、そんなサービスがなくても充分ですよ。ありがとうございます」「私がポイントを集めて得られる特典の分だけでも、潤ってくださいね」という気持ちが湧いたのです。

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それからは、会計時にポイントカードの作成をすすめられても、「あなたのお店の商品が気に入っているから、そんなものがなくても必ずまた来ますよ」という気持ちを込めて、丁重にお断りするようになったのでした。つまり私にとってポイントカードを断ることは、そのお店を応援するためのささやかな行動でもあるのです。

そんな私が唯一集めているのは、航空会社のクレジットカードのポイント。これは特典航空券に交換できる「マイレージ」を貯められるから。学生時代、通学に使っていた国鉄バスの運賃がどんどん値上がりしていくのを見ながら、「行きたい時に行きたい場所に行ける経済的自由が欲しい」と夢見ていた私にとって、このポイントだけは魅力的に映りました。おかげ様で経済的自由を手に入れた現在は、締め切りに追われる毎日で、時間的自由を手に入れる方が難しくなってしまった訳ですが。

とはいえ、あくまでもマイレージを貯めるのは「世界中、行きたいところに行ける」という目的を達成するための手段でしかありません。その視点で、もう一度考えてみましょうか。あなたはなぜポイントを貯めるのですか? 貯まるまでにかかる期間はどれくらい? 貯まった際に手に入るモノは? そして、そのモノは本当に必要?
もしも不要だと気づいたならば、次からは「ありがとうございます、でも結構です」と、断る潔さを。自分らしい人生を歩む突破口は、そんな些細な行動をひとつひとつ積み重ねていくことでこそ開いていくのですから。

モノ・人・心の悩みが消えていく 断捨離道場
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