菅政権が「邪魔」ばかりするから「トヨタが日本を捨てる日」がやってくる…って本当か?

大原 浩 プロフィール

日本政府は日産をなぜ助けなかったのか?

念のために申し上げるが、私はアダム・スミスと同様に、「独占企業の弊害」については厳しい考えを持つ。だから、日本国内のことだけを考えれば、「1強」になりつつあるトヨタ自動車は独占禁止法によって分割・解体しても良いのではないかと考える。

しかし、自動車はグローバル産業の代表である。トヨタが戦わなければならない相手は国内よりも海外に多数存在する。

しかも、大概の国々で自動車産業は、関連部品メーカーなども含め多くの雇用を生み出す産業として、政府によって保護される。我々が、見たことも聞いたこともない自動車メーカーでも、それぞれの国の政府の保護によって生きながらえている事例は多い。

欧州でも、国策として自動差産業を保護している。ルノーも「政府系」と呼んで差支えないだろう。

そして、そのルノーに「日産自動車という日本の宝」を売り払うことを見逃したのが日本政府である。もちろん、苦境に陥っていた日産をルノーが救済する形であるし、日産自動車はあくまで民間企業であることは否定できない事実である。

しかし、ルノーに売り渡さなければ、4月28日の記事「東芝、マクドナルド、日産…日本企業をぶっ壊す『プロ経営者』たちのヤバい実態」で述べた「カルロス・ゴーン問題」が引き起こされることがなかった。

 

例えばエルピーダメモリの経営危機では、「日の丸半導体」として救済のために多額の公的資金がつぎ込まれた。官民ファンドなどで、日本の自動車産業を牽引する日産を日本の手で救済することはできたはずだ。

カルロス・ゴーンに日産が「ぶっ壊された」後に、彼を刑事訴追しても後の祭りだ。しかもルパン3世のように軽やかに逃亡されたのでは、「日本政府はいったい何をやっている」と言いたくなってしまう。

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