2021.05.14
# 新型コロナウイルス

コロナ禍で「売上半減」になっても、手元資金が3倍になる「BS脳」のヒミツ

学ぶべきはMBAでなく「母ちゃん」!?
文野 成信 プロフィール

京都の老舗旅館「売上半減でも手元資金は3倍に」

実際、京都にある50年以上続く老舗旅館では大きな効果をあげている。全30室のこぢんまりとした旅館で、都会の喧騒を忘れられる。純和風で寛げ、食事も美味しい割にコストパフォーマンスが高いと評判の宿だ。

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売上は5億円で、利益も5000万円と堅調である。だが帳簿をみると事情は違い、金融機関への年間返済額が1億円を超えていた。手元に現金が残るどころか、不足分の5000万円ほどを借り入れる悪循環に陥っていた。

単純に考えればおかしく、オーナーも違和感を感じていた。

 

そこでまず私が3年前にアドバイスしたのは短コロへの切り換えだ。先ほどのロジックでいえば、毎月返済なしに5000万円を借り続けられる。オーナーは早速銀行と交渉したところ、1億円分が認められた。さらに、設備投資の融資も返済期間を長くするように見直すことで、年間返済額は1億円から3000万円になった。

すると、年間2000万円が手元に残る経営になった。オーナーは喜ぶとともに「なぜ銀行は教えてくれないのだろう」と疑念を抱いてしまった。

いまコロナ禍で、旅館の売り上げは半減以下になったが、今期もシステムや採用などに投資を続けつつも、手元資金は稼ぎ出す利益の一部をコツコツ積み上げている。かつて手元資金は3000万円ほどを借入金で捻出していたが、3年間で貯蓄できたことで3倍となる9000万円となった。

旅館のオーナーは「血と汗の結晶である利益を手元資金として残したかった。短コロを利用し、ようやく実現できた。これまで期末に資金を借りていたが、もうその必要がない」と話す。毎月現金が貯まり出し、いまでは預金通帳を見るのが楽しみで仕方がないという。

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