2021.05.14
# 新型コロナウイルス

コロナ禍で「売上半減」になっても、手元資金が3倍になる「BS脳」のヒミツ

学ぶべきはMBAでなく「母ちゃん」!?
文野 成信 プロフィール

「短コロ」活用で年間7000万円負担減も

ここからはBS脳が身に付いた経営者が企業を強くするための具体論に入ろう。金融機関の担当者とBSを軸に議論することで狙いたいのは、運転資金と設備投資の融資方法の変更だ。多くの企業は資金を3〜5年間で長期の借入をしていることがほとんどだ。理想的な形は、短期借り入れは売上回収金による返済、長期借入は年間利益からの返済で賄いたい。

この理想的な形へ切り替えるために、運転資金を短期継続融資へ切り替える。短期継続融資とは、月末に返済し、また月初に同額を借り入れる手法で、借り続けられる。金融機関によっては「短コロ」と呼ばれ、金融業界の「基本のキ」であるはずがほとんど浸透していない。

2016年2月に日銀のマイナス金利政策を受け、金融庁は「正常運転資金に対して短期継続融資で対応することは何ら問題ない」との見解を示し、有望な中小企業への融資拡大を促している。私は多くの金融機関の役員などとやりとりしているが「運転資金に短コロを積極提案するべき」と考える割合は、地方だと10%を割っているだろう。経営者から申し出ない限り、提案されないのが現状だ。

 

さらに、設備投資向けの融資も見直す。例えば焼肉店を開業するには5000万円ほどかかる。一般的には5年前後で返済する計画で借り入れる。競争激化で客単価も減少傾向にあり、年間1000万円ほどの返済が重くなる。

多くの経営者は負担を減らすべく、少しでも金利が安くなるように交渉したがる。だが、返済期間を資産の償却期間に合わせるよう依頼するほうが得策だ。厨房機器などの設備の償却期間は4〜8年ほどだが、給排水やガス設備などは15年間と定められている。そこで償却期間が最も長い設備に合わせて、返済期間を10〜15年間に設定してもらうのだ。

金融機関も償却期間内であれば認めるケースが多いが、経営者から提案しないと引き出しづらい。単純計算になるが、返済期間が長くなることで年間の負担が3分の1まで下がる。

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