「IZ*ONE」とは一体何だったのか…2年半で見えた日韓アイドルの「決定的な差」

松谷 創一郎 プロフィール

同じ曲なのに“立体感”が違う?

IZ*ONEの日韓における活動では、奇妙な現象も見られた。

K-POPですでに発表された曲の日本語版が創られることは、ローカライズのためのコンテンツ運用として珍しくない。IZ*ONEも、たとえば韓国語の代表曲である「La Vie en Rose」や「Violeta」などはその日本語版が創られ、2020年10月に発表された日本アルバム『Twelve』に収録されている。

その逆に、活動前半には日本語曲の韓国語版もふたつ創られた。2019年2月に日本デビューシングル「好きと言わせたい」のカップリングとして発表された「ご機嫌サヨナラ」と「猫になりたい」だ。2ヵ月後の4月、この2曲は韓国での2ndミニアルバム『HEART*IZ』に韓国語詞で収録された。

奇妙な現象はここで見られた。その2つは、歌詞のみが異なる同じ曲であるにもかかわらず、音楽の“立体感”が異なっていたからだ。なかでもアップテンポの「ご機嫌サヨナラ」ではその違いが明白だった。

・日本語版「ご機嫌サヨナラ」

・韓国語版「GOKIGEN SAYONARA - Korean Version」

 

簡潔に言えば、韓国語版はヴォーカルと伴奏(トラック)が調和し、曲全体のメリハリが感じられるのに対し、日本語版はヴォーカルだけ浮き上がり、曲全体も平板な印象だ。

この違いが前述した“立体感”であり、「奇妙な現象」の正体だ。しかし、なぜこうしたことが起こっているのか?

なぜ違いが生まれたのか?

この2曲で明確に異なるのは、低音部だ。韓国語版は低音が強いのに対し、日本語版は控えめだ。ヴォーカルも韓国語版は伴奏に溶け込んでいるが、日本語版は一語一語がくっきり聴こえる。これは、日本語版ヴォーカルのリヴァーブ(反響)が弱いためでもある(「猫になりたい」も概ね同様だ)。おそらくミキシングにおける違いだと考えられる。

つまり、楽曲そのものではなくレコーディング後のポストプロダクションにおいて日韓で違いがある。では、なぜこうした差異が生じたのか?

いくつかの仮説が考えられる。

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