「IZ*ONE」とは一体何だったのか…2年半で見えた日韓アイドルの「決定的な差」

松谷 創一郎 プロフィール

一時は活動がストップしたが…

IZ*ONEの2年半は、決して順風満帆だったわけではない。予期せぬ不運な出来事にふたつ見舞われたからだ。

ひとつが、デビューから1年が経過した2019年11月に生じた、『PRODUCE~』シリーズの投票操作問題だ。この番組のデビューメンバーは「国民プロデューサー」と呼ばれる視聴者からの投票で決められたはずだったが、実際は投票結果を番組サイドが意図的に操作していたことが明るみになった。

このときIZ*ONEは難しい立場に置かれた。メンバーの幾人かが、本来は脱落していたことを意味したからだ(後に判明するのは、意図的に脱落させられた2人の名前のみだった)。すでに活動から1年が経過し、十分な人気を得ていたIZ*ONEは、突然スティグマを負わされてしまった。

タイミングも悪かった。問題の発覚は、1srアルバム『BLOOM*IZ』の発売と、ドキュメンタリー映画『EYES ON ME : THE MOVIE』公開の数日前だった。年末年始に日韓の音楽番組やイベントを控えて、万全の体制で臨もうとしていた矢先だ。おそらく『NHK 紅白歌合戦』への出場も内定していたと見られるが、それも実現しなかった。

結局、2019年11月中旬から2020年2月中旬までの3ヵ月間、IZ*ONEの活動は完全にストップした。ファンクラブの受付を止めるなど一時は解散に傾いたかと見られたが、結果的には活動を再開した。多くのファンから声が上がり、同時にメンバーたちに同情する向きも拡がったからだ。なにも知らされずに順位操作でデビューしたメンバーたちも、結局は被害者だったからだ。

 

新型コロナは大きな痛手だった

2020年2月に活動を再開したIZ*ONEだったが、その直後に生じた不運は新型コロナウイルスのパンデミックだった。日韓での活動を前提とするIZ*ONEは、コンサートを開催できないどころか韓国から出国できない状態に置かれた。

この状況は、結局最後まで続いた。新型コロナの影響を受けたのはIZ*ONEだけではないが、2年半のリミットが最初から決まっていた12人にとってはやはり大きな痛手だった。終わってみれば、2年半の活動期間のうち通常の活動をできたのは最初の1年だけだった。

活動期間の満了が迫るなか、IZ*ONEの継続を求めるファンは多かった。クラウドファンディングのサイトでは、現在まで目標の10億ウォン(約1億円)を大きく超える約32億ウォン(3億2000万円)が集まっているほどだ(「IZ*ONE活動再開のための小さな一歩、平行宇宙プロジェクト」 )。その額の大きさからもIZ*ONEの人気はうかがえるが、こうしたファンの動きが今後どのような影響を見せるかはまだわからない。

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