株価「爆上がり」の日本電産と「伸び悩む」パナソニックの間にある「明確な差」

IR資料を分析して気づいたこと
三ツ谷 誠 プロフィール

内向きの話でしかない

一方でパナソニックだが、ホームページからは個人投資家向けの説明会資料を見つけられないので、対象は異なるが、同じ時期に機関投資家やアナリストなどを対象にして2021年11月17日に実施された「経営方針説明会」のスライドを見てみよう。それが図4になる。

 

この説明会でパナソニックは、ここで示したスライドを含む10枚のスライドを使い、各事業について徹底的な事業競争力の強化が必要であり、全社としては成長領域の確立が急務であることを説明している。

そのために会社の姿を抜本的に見直し、2022年に持株会社制に移行、ホールディングスが全社を束ねながら、事業自体は「パナソニック」「現場プロセス」「デバイス」「エナジー」の4つの事業会社にその経営を任せることを説明している。

松下幸之助からの栄光と伝統を引き継ぐ巨大企業において、複雑に絡み合った事業を大胆に整理し、4つのユニットにまとめ上げ持株会社制に移行させることは相当な困難を伴う大変革だ。

しかし、残念ながらそれは内向きの話でしかない。

「成長領域の確立が急務なので、それが可能になるよう体制を持株会社に移行します」と言われて、さあ、投資しようという人間がどれほどいるだろう。「このような成長領域で成長するために、体制を変革します」であれば、少しは関心を示す人間もでてくるかもしれないが、それでも弱い。

理想的には、「このような成長領域で成長するために、こうした打ち手を考えていて、そのために体制を打ち手の遂行、検証、次の打ち手の創造にそぐうよう、このように変革します」とプレゼンされて、初めて投資家はその投資意欲を刺激されるのではないだろうか。

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