株価「爆上がり」の日本電産と「伸び悩む」パナソニックの間にある「明確な差」

IR資料を分析して気づいたこと
三ツ谷 誠 プロフィール

メッセージが明確な日本電産のスライド

図2/出所:Yahooファイナンス2021年4月25日より

図2は、図1からパナソニックだけを残し、日本電産(6594)とソニーグループ(6758)を比較している。広い意味で同業種であるこの3社の株価推移を比較したこのグラフを見れば、この10年間、日本電産がコンスタントに日経平均を凌駕するパフォーマンスを示し、かつ2017年からは一気にその乖離の幅を広げた事、ソニーグループも2019年から明らかに日経平均を上回るパフォーマンスを見せていることが分かるだろう。

先述したが、そこに2019年1月ソニーが新しく定めた「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスの影響を見出すという視点は、十分にありえる気がする。それは、コングロマリット・ディスカウントをどう克服するのか、についての一つの解決方法の提示でもある。

では、その議論に入る前に、まずは日本電産について見ていきたい。もちろん、公平に言えばパナソニックとは異なり、日本電産はこの間、業績も伸ばしている。株価は業績の影であるという意味では、その点を認識しておく必要はあるだろう。

しかし、投資家が将来性をどう加味するのか、将来に対する期待の指標でもあるPER(株価/純利益)で比較しても、日本電産が2021年4月13日時点で67倍なのに対し、パナソニックは21.7倍である(東証1部のPER平均は25.7)点は冷静に見つめておく必要がある。


拡大画像表示図3/出所:日本電産HP 2020年12月25日開催個人投資家向け説明会資料より
 

図3に示したのは、日本電産がコロナ禍の昨年12月25日に開催した個人投資家向け説明会のプレゼンテーション資料の抜粋になる。資料自体は18枚のものだが、ここでは2枚だけ抜粋した。

この資料でアピールする内容は極めて明確だ。先日CEO退任が発表された永守重信会長の似顔が指を立てて「日本電産はESGの直球ストライク銘柄」と伝える画面の訴求力は半端ではないだろう。

このような画面から伝わるのは、だから是非当社に投資して、当社の掲げる夢に投資家のあなたも酔って欲しい、一緒にその成長を見守って欲しい、という情熱にほかならない。

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