シンガポールのワクチン接種会場の待合室(筆者撮影)

50代日本人がシンガポールに渡ったら…滞在28日目にコロナワクチンが接種できてしまった“ワケ”

シンガポールでワクチン接種

国内では新型コロナウイルスのワクチン接種がなかなか進まない。各地で、優先接種の申し込みを希望する高齢者が、地方自治体の指定した電話番号やホームページにアクセスしようとしてもつながらず、自治体の窓口に押しかけるといった混乱も起きている。首相官邸によると、2月に接種が始まった医療従事者も4月27日現在、免疫をつけるのに必要な2回の接種が終わったのは2割程度だ。

写真はイメージ(photo by iStock)
 

筆者は50代、かつ幸い健康であるため、高齢者や持病のある人への優先接種が終わった後にしか接種の機会は来ない。早くて今秋以降だろうと考えていた。

ところが、今年3月中旬に夫の仕事の都合で渡航し、しばらく滞在することになったシンガポールで、思いがけず1回目の接種を受けることができた。義務的な隔離や、夫の職場の規則に伴う自主的な隔離などで3週間ほどは身動きの取れない状況もあったが、そうした期間も含め、到着してから28日目のことだった。5月中旬には2回目を打つ予定だ。

接種のための予約の手続きも簡単で、スマホで5分もかからず、予約した翌日に接種を受けられた。接種会場での手続きも、スマホや会場備え付けのパソコンで非常にスムーズに行われた。日本の混乱ぶりを知っているだけに、接種会場を後にした時には、日本との大きな差を実感せずにいられなかった。

シンガポールは昨年秋以降、渡航者・帰国者を除けば、新たな感染者は多くても二桁、新規感染ゼロの日もある。ただし、日本と同様、現時点ではワクチンを輸入に頼らざるを得ない。にもかかわらず、どうしてこんなにスムーズにワクチン接種が行われているのか、シンガポールのワクチン事情について、筆者の体験を交えつつ紹介したい。

事前にお断りするが、ワクチンを先進国が買い占めるのは倫理的に問題であり、途上国も含めて平等に配分するべきだという視点には今回は配慮していない。先進国が自国の予算をいかに効率的に使って国内の住民を守ろうとしているのか、という視点で書いている。

また、シンガポールは外国人観光客や短期訪問者を原則として認めていない。筆者の入国の経緯は後述する。

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