ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くされています。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」とも書かれています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われている事で知られています。前回は現在の在宅介護の様子やそのことに関する私の思いなどの日常をお話ししましたが、それに加えて他のALSの方との交流などからのあるあるなどをお話ししていこうと思います。

2019年3月に足に異変を感じ、半年の検査入院で9月にALSだと告知された津久井教生さん。告知から1年8カ月が経とうとしているいま、ALSという病がどういうものなのかを身をもって感じながら、今を工夫し過ごしています。

現在は手足がほとんど動かなくなり、要介護4でご家族以外にも多くのプロの手を借りて生活をするようになりました。タイピングができなくなって、この連載の原稿は割りばしを口にくわえてひと文字ひと文字打ち込んで完成させています。それでも声は健在で、現在もニャンちゅうやちびまる子ちゃんの関口くんなどの声を楽しませてくれているのです。

津久井さんが率直に綴る連載「ALSと生きる」、今回はご自身以外でALSに罹患した方とのやり取りなどを通し、改めて「ALSとは何か」を伝えてくださいます。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
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ALS(筋萎縮性側索硬化症)って個性的な病気です

このまま私の病状で「ALSと生きる」の連載をしていくと、私の症状がALSの正解と勘違いされるかもしれません。そこで都度都度このような文章を書かせていただいて、誤解がないようにしていきたいと思います。ALSという難病は根幹の部分は共通しているのですが、そこに至るまでの過程は様々なのです。

「身体が動かなくなる」と言われている部分も、スタートは上肢・下肢・呼吸器系・球麻痺の4つが概ねとされています。この最初の動かなくなる部分を礎として、罹患当初から個人差があるのです。始まった場所によって生活の影響はもとより、命への影響も違ってくるからです。つまり、呼吸器系から始まった方は身体が動いていても、呼吸を司る筋肉が動かなくなるので、早くに命を奪われることになりかねないのです。

ALSが体に及ぼす影響で、最初にお伝えしたいのは時間との関係です。最終的に全身が動かなくなるまでの時間を見ると、それなりの自覚から1年くらい、医療機関の診断後で数ヵ月で全身が動かない状態になった患者の方々もいます。かといって、このような進行の方々が全くどこも動かないとは限りません。足の指ですとか、手の指がわずかに動いて意思表示が出来る状態の患者もいらっしゃいます。それでも、「寝たきり」になると言われる2年から5年という平均値よりもかなり早く進行しているといえます。

それとは逆に、ALSでお亡くなりになる最後まで「ある程度動けていた」という患者の話も聞きます。呼吸器系に症状が及ぶまでに上肢や下肢の進行が追いつかなかったという事だと思われます。これらのように、完全に動けなくなるのではなく、手や足や首、そして指などはものすごく個人差がでるようです。