不登校の子の心理状態と、親ができること

ほとんどの不登校の人は、学校などで深く悩み傷ついたため、学校と距離を取っています。不登校新聞が主催する講演で、この状態を心療内科医・明橋大二先生は「心がオーバーヒートした状態」だと表現しました。車のサーモスタットが発動してモーターのスイッチが切れるように体が動かなくなる、つまり安全装置が発動して急停止した状態だと言うのです。そんな子どもに対して、親や祖父母といった周囲の人は、どんなサポートができるのかを解説します。

多くの人は、不登校になった日からどんどん状態が悪くなり、子どもが社会から切り離されていくようなイメージを持つかもしれません。しかし、本人にとっては心身ともに傷ついた場から離れられたわけです。不登校になった瞬間から心に溜まったダメージの回復が始まります。

Photo by iStock
-AD-

カゼと同じような状態を想像をしてほしいと思います。熱が上がって子どもが「苦しい」「学校を休みたい」と訴えた瞬間は悪い状態です。しかし、そこに至った経緯、たとえば裸で寝ころんでいたとか、そういう「カゼになりやすい状態」は回避されました。

さらに言えば、熱が上がっているのは、体がウイルスをやっつけてる証拠。しっかりと体を休めば回復していきます。むしろ無理をして「学校へ行きたい」「勉強しないと遅れる」と思う子に「今は休んで」と諭すほうが重要です。

不登校もまったく同じ構造で捉えられます。不登校になる前が一番きつい状態です。学校で苦しいことがあっても親や先生には言えず、それを溜め込んで、行けなくなりました。多くの親は、この瞬間から学校へ戻すことを考え、登校を促します。極力、休ませない方向で考えがてしまうのですが、それはカゼをひいた子を裸で外へ放り出すようなものです。

いま説明したことの反対の行動が「親ができることのベスト対応」です。休ませないことが子どもを追い詰めるのなら、休ませるのが最善の選択肢です。不登校への「処方箋」はただひとつ、休むことだけ、というのが20年間の取材で得た私の結論です。