# 鉄道

鉄道技術の「元祖」は日本ではない…海外展開を実現させるための「3つの視点」

「高輪築堤」の出土を機に考える
川辺 謙一 プロフィール

日本と価値観が異なる海外で…

ただし、どのような点で「優れた」ものであるかは、客観的に説明するのが難しい。そもそもイギリスをはじめとする国々から鉄道技術を輸入した歴史を無視して、自国の鉄道技術を「優れている」と自画自賛するのはおかしい。

(3)の「相手国の立場で考える」は、海外展開の基本である。たとえ国内で「優れている」と評される技術であっても、他国がそれを必要としていなければ、その技術が海を越えることはない。

 

たとえば「時間の正確さ」は、国内では日本の鉄道の優位性の一つだとされているが、海外では日本ほど求められていない。定時性の高い列車運行は、日本では労働環境を含めて独特な価値観の上に成立しているが、日本と価値観が異なる国では実現が難しい。

それゆえ日本は、自国の鉄道の特殊性を客観的かつ冷静に評価するだけでなく、それが有益であるかを他国の立場で考える必要がある。独りよがりになるのは禁物だ。

以上、鉄道の海外展開の課題をクリアするための3つのこととして、「初心に帰る」「客観的に考える」「相手国の立場で考える」を説明してきた。

もしこれらの考え方が浸透して、他国の鉄道に貢献することができれば、日本は鉄道先進国の一つとして世界全体の鉄道の発展に寄与でき、鉄道の海外展開が一歩前に進むはずだ。

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