# 鉄道

鉄道技術の「元祖」は日本ではない…海外展開を実現させるための「3つの視点」

「高輪築堤」の出土を機に考える
川辺 謙一 プロフィール

日本の強みが海外で受け入れられるか

この状況を打破するには、日本の鉄道の特殊性を客観視し、どの部分で他国の発展に貢献できるか考えなければならない。先述したように日本の鉄道は良くも悪くも特殊な環境下にあるので、他国とくらべると育った部分もあるが、そうでない部分があるのも事実だ。

そのうえ、その「育った部分」は、日本では「優れたもの」と評されても他国にとって有益であるとは限らない。つまり、同じものでも国内と海外では評価が異なるのだ。

 

たとえば新幹線にはハイテクのイメージがあるが、その真逆のローテクの塊だったことはあまり知られていない。実際は欧米諸国の鉄道ですでに使用実績があるものを寄せ集めてシステムとしてまとめ上げたものにすぎず、個々の技術に新規性はなかった。

ただし、新幹線はコンセプトが斬新だった。在来線と互換性を持たない鉄道のハイウェイを新たに建設し、200km/h以上の高速で列車を走らせる点が画期的だった。

この試みは、日本ならではの恵まれた環境があったからこそできた。高い輸送需要があるのに、在来線の輸送力が著しく不足しているという特殊な条件がそろっていなければ、鉄道を新設しても採算性が見込めないからだ。言い換えれば、新幹線は日本の鉄道の弱点が生んだものだと言える。

ところが多くの人には、世界最速の営業列車を走らせたという表面的な特長だけが注目され、いつしか「日本の鉄道技術は世界的に優れている」と信じられるようになった。また、冒頭で述べた通り、現在政府は日本の鉄道システムを「優れた」ものとして扱っており、その海外展開に注力している。

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