# 鉄道

鉄道技術の「元祖」は日本ではない…海外展開を実現させるための「3つの視点」

「高輪築堤」の出土を機に考える
川辺 謙一 プロフィール

イギリスからまるごと輸入した鉄道技術

近年、その原点を知る上で重要な遺構である「高輪築堤」が見つかった。「高輪築堤」は、品川の再開発地区で発掘された石組みの土木構造物で、山手線における49年ぶりの新駅として話題になった高輪ゲートウェイ駅のすぐ近くにある。

見つかった高輪築堤/品川区公式サイトより
 

これは、今から150年近く前に開業した日本初の鉄道(新橋・横浜間、1872年開業)の一部であり、当時海だった場所に線路を敷くために造られた。本年に入ってからは、1月にその「第七橋梁」、4月に信号機跡と思われる部分をふくむ区間が報道陣に公開された。

この築堤は、イギリス人技師の指導のもと建設された。当時の日本は鉄道を建設した経験がなく、技術もなかったので、車両やレール、建設や運用の方法などをイギリスからまるごと輸入した。

先述のイギリスは、鉄道発祥の国とも呼ばれる。蒸気機関車を発明しただけでなく、1825年に蒸気機関車が列車をけん引する本格的な鉄道を世界で最初に開業させたのがその由来だ。

イギリスで生まれた鉄道は、その後世界に広がった。1830年前後には、アメリカやフランス、ドイツでそれぞれ鉄道が開業し、世界的な鉄道建設ブームが起きた。

日本は、この動きから40年ほど遅れて鉄道を導入した。つまり日本は、イギリスだけでなく、アメリカやフランス、ドイツよりも「後発」の国だったのだ。

日本政府は、明治初期にこうした鉄道先進国の中からイギリスを選び、鉄道を一式輸入して、日本初の鉄道を開業させた。現在日本は、他国に鉄道技術をパッケージで売り込もうとしているが、もとをたどれば、イギリスからパッケージで輸入した歴史があるのだ。

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