2021.05.03
# マンガ

「あなたは殺人者と一緒」人格否定、朝まで説教…ヤバすぎるモラハラ夫の言動一部始終

漫画「モラニゲ」無料公開【前編】

突然の豹変、朝まで説教、人格否定...。

「夫といるとどうしてこんなに苦しいんだろう...」

言葉の暴力や態度による嫌がらせなど、精神的な暴力のことを「モラル・ハラスメント」という。なかでも家庭内モラハラは顕在化が難しく、看過できない問題となっている。漫画家の榎本まみさんは、そうしたモラハラ夫から逃げ出すことに成功した妻たちと専門家に徹底取材を行い、漫画『モラニゲ モラハラ夫から逃げた妻たち』にてモラハラ被害者の悲痛の声を取り上げている。

「モラル・ハラスメント」はまず自覚すること、と話す榎本さん。当たり前のように受けてきたハラスメントに、被害者たちはどのようにして気づき、どのように逃げ出したのだろうか――。

『モラニゲ モラハラ夫から逃げた妻たち』(飛鳥新社)
 

「お前は馬鹿だな、本当にダメだな」

私がモラル・ハラスメントという言葉を知ったのは数年前のことでした。

その言葉を知った直後に、ふと立ち寄ったスーパーで、買い物をしている高齢のご夫婦がいました。男性はずっと奥さんに向かって「お前は馬鹿だな、本当にダメだな」と言い続けていました。奥さんは無表情のまま、黙って横に立っていました。

そしてその帰り道、また奥さんと思われる女性に向かって「とろいんだよ、いい加減にしろ!」と怒鳴りつけている男性を見ました。女性は俯いて、じっと地面を見ていました。

なぜこんなにも苦しいのか分からなかった…『モラニゲ』より

その時「あ、そうか。これがモラル・ハラスメントなんだ」と頭を殴られたようでした。私には今までその風景が見えていなかった。もしくは少し嫌な気持ちになるけれど、ありふれた出来事だと思って生きてきました。けれどモラル・ハラスメントという言葉を知ってから、これは当たり前のことではない。不当で、許しがたい行為であり、苦しんで生きている人たちがきっとたくさんいるのだと、胸を突かれたような気持になったのです。

モラル・ハラスメントに遭っている被害者の心理は複雑です。長年「お前が悪い」と言われ続け、自尊心を傷つけられ、一種の洗脳のような状態になっています。周囲が指摘しても「私が悪い、彼は私を教育してくれている」と言って拒絶したり、そうしていないと夫の機嫌が悪くなるのでさも夫に愛情のあるように振る舞っていたりします。

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