グリコ森永事件の主犯・キツネ目の男の「声」を聞いた!

「昭和最大の未解決事件」犯人グループに拉致された元自衛官の告白
岩瀬 達哉 プロフィール

かい人21面相は脅迫状で、この日、3億円を白のカローラに積み込み、グリコの社員二人で午後8時半までに大同門に運んでくるよう指示していた。この社員たちには白のブレザーに白のズボンを着用させ、ひとりは車に乗ったまま駐車場で待機し、もうひとりは店内に入ってすぐ左の窓際に座り、グリコの取引先である「東食の中村」を名乗るよう細かい指示があった。

早く行かんと、彼女が危ない

中村役のグリコの松島哲夫総務部長から車のキーを受け取ると、兼田は、駐車場の白のカローラで待機していた総務部員と入れ替わる形で運転席に乗り込み、店の前の道路へ飛び出し、右折すると淀川新橋の方向にフルスピードで走っている。

脅迫状に書かれていた筋書き通りの展開に、大阪府警の捜査員の誰もが、この男を犯人の一味と思い込んだ。このカローラには集音マイクが設置されていて、運転している男の声を拾っていた。当時の捜査幹部によると、男はうわ言のような言葉を発していたという。

 

「早よ行かんと危ない。危ないんや。いや、大丈夫や。あすこへ行かなあかん。早よ行こ……」

このことは「捜査報告書」にも記載されることなく、いままで秘匿され続けてきた事実のひとつである。

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