グリコ森永事件の主犯・キツネ目の男の「声」を聞いた!

「昭和最大の未解決事件」犯人グループに拉致された元自衛官の告白
岩瀬 達哉 プロフィール

兼田が、かい人21面相に襲われたのは堤防道路の、現場に到着してすぐだった。

「車の窓は、ちょっとしか開いてなかったわ。ふっと見たら、そこから銃身が突き出ていた。1年前まで自衛隊で六四式小銃を扱っていたから、銃というのはすぐわかった。最初はドッキリカメラやと思ったね。しかしその銃口がグーッと迫ってきたので、これはまずいと左手で握ったら、強い力で引き抜こうとした。たしかそのときや思うわ、運転席側のドアの窓ガラスが割れたのは。銃口を握ってないとやられると思うから、握ったまま右手でドアを開けて外へ出たら、目出し帽をかぶったのが3人出てきたわけや。なんじゃ、こりゃ、と激しくやりあった記憶がある」

3人組と格闘の末に

揉みあいを続けるなか、3人組の一人は足を滑らせ堤防から転げ落ちている。その直後、兼田は、横っ面を棒のようなもので強く殴られた。耳がキーンと鳴って、脳震盪を起こし、何がなんだかわからなくなってしまった。組み伏せられるようにして、車の運転席に押し込まれると、助手席にいたはずの彼女の姿はすでになかった。シートには、砕け散った窓ガラスの破片が散乱していた。後部座席にふたりの男が乗りこんできてこう言った。

 

「彼女がどうなってもええんか。無事帰してほしかったら、言うとおり運転しろ。これから一緒に大同門に行く。店の中に入ったら、すぐ左の席に白の上下を着た男がおるから、このメモを見せて、そいつからもらった車でここまで戻ってこい」

途中、兼田がバックミラーで二人の男の様子を窺っていると、体格のいいほうの男が「ミラー見るな」とすごんだ。この男がリーダーだと思った。

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