伝説の事件記者がはじめて語る「グリコ森永事件」6人の犯人像〈後〉

元毎日社会部・吉山利嗣氏✕岩瀬達哉氏

1984年3月、グリコの江崎勝久社長が自宅で入浴中に拉致されたところから発生、そのまま未解決に終わった「グリコ森永事件」。吉山利嗣氏は大阪府警を十数年にわたって担当し、「最後の事件記者」と言われる毎日新聞社会部のエースだった。NHKドラマ「未解決事件file.01 グリコ・森永事件」では池内博之演じる準主役のモデルとなっている。(編集部)

岩瀬 この犯人は新聞をものすごく丹念に、よく読んでいる。ある一定のインテリでないとできない事件ですね。

吉山 そう。事件発生時は毎日新聞の読者だったんですよ。捜査幹部が「犯人は毎日新聞をよく読んでいるな」と言っていました。

岩瀬 毎日のほか読売、朝日も読んでいて、週刊読売もよく読んでいます。週刊読売の問いかけにちゃんと答えたりしている。

 

12年前にあったそっくりの事件

吉山 挑戦状も最初は読売、朝日には行ってなくて、はじめ毎日新聞に来て、それから各社に行きだしたんです。尋ね人欄も毎日新聞です。

岩瀬 そうなんです、毎日新聞をよく使っていますよね。

吉山 私の旧知の元警察幹部が、グリ森事件と類似の事件としてニセ夜間金庫事件を調べ直しています。1973年2月25日夜に発生した事件で、大阪市北区梅田の三和銀行阪急梅田北支店でニセ夜間金庫事件というのがあったんです。

岩瀬 ありましたね。

吉山 夜間金庫に客が現金を投入したところ、金庫の表面が膨れ上がって、これはおかしいと。客が警備員に連絡して、ベニヤ板で作られたニセ夜間金庫と分かったんですね。ホンモノの夜間金庫がすぐそばにあって、そこには「壊れたので仮のものを使用してください」と貼り紙がしてあった。

この幹部が言うには、その他に大丸デパート恐喝未遂事件というのがあったんです。
これが1972年5月1日、大丸に3000万円を要求する脅迫状が送られてきて、隣のそごうデパートを放火するという予告が来て、実際に放火があったんです。新聞紙が燃やされて、ボヤ程度ですけど。

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