PACS=入籍はしていないが法律婚とほぼ同等の法的優遇が受けられる制度

ユニオン・リーブル=同棲をしているがPACSも法律婚もしていない法的契約を結ばない関係。いわゆる事実婚

法律婚=日本と同じく婚姻届を市役所提出し、法律上で婚姻関係が認められている関係

【ユニオン・リーブル】交際歴35年。お互い自由を奪われたくないから

プロフィール
名前:Camille(カミーユ)さん
国籍:フランス 職業:保険会社秘書
パートナー国籍:フランス 交際歴:35年(20代の子どもが一人いる)
関係:ユニオン・リーブル

筆者:なぜユニオン・リーブルを選んだの?

Camille:これまで何度かPACSか法律婚を選ぶのはどうかとパートナーに聞いたことがあるんだけど、彼が結婚という制度によって自由な気持ちが奪われるのが嫌という意見があったの。私にとってもそこまで形式にこだわっていないし、敬虔なキリスト教徒ではないので「まぁいいか」という感じ。

ただ、税金に関しては法的制度をとらないことで、毎月税金の支払いの負担が多いので損だと感じてはいるけど、数十年続けているので慣れてしまいました。私たちはフランス人同士だからPACSや法律婚をしなくてもビザの問題もないし、子どもに対しては親の権利が法律婚・PACSのカップルと同様にあるから、そこも特に問題だと感じていません。

-AD-

なので現在は、市役所などオフィシャルなところでもし独身か結婚しているかと聞かれたら「独身」と答える立場にあります。フランスでは、長年連れ添ったあと、遺産権利のため晩年に結婚するカップルも多いので、いずれそうなるかもしれないけど、今のところ何かする予定はありません。

【法律婚】学生ビザで渡仏。子どもができたことをきっかけに結婚した国際カップル

プロフィール
名前:Ami(アミ)さん
国籍:韓国 職業:子育て中主婦
パートナー国籍:フランス 交際歴:4年(子ども二人)関係:法律婚

「記念日はおしゃれをしてお出かけ。とてもやさしい夫に出会えて、私は幸運だと思う」と、Amiさん 写真/Amiさん提供

筆者:なぜPACSでもユニオン・リーブルでもなく法律婚を選んだの?

Ami:私は、妊娠したことがきっかけで結婚に至ったので、少し異例かもしれません。
妊娠した時、すぐに夫と結婚の話をして、お互いに同意したので婚姻届を提出しました。子どものことで頭がいっぱいだったので、PACSという選択は一切考えなかったかな。

思い返すと、私がフランスでは外国人だからというのも大きかった。外国人としてフランスに住むのはビザが必須で、さまざまなビザがある中でも結婚制度によって取得できる家族ビザは永住できる。私は学生ビザでフランスに来たけれど、結婚せずに学生ビザのままでいると、ビザの期限が切れたら韓国に帰らないといけない。学生ビザは何かを学ぶためのビザで数年の滞在が前提で、長くいることはできないから。法律婚は母国の韓国でもオフィシャルな関係として有効なので、夫と子どもと一緒に韓国へ帰れます。逆に法律婚で関係を結んでいなければ、入国する時に夫と私と子供の関係性の証明が難しく、スムーズに入国できない可能性もあるんです。

また、韓国は女性にとって結婚へのプレッシャーが大きく、社会的体裁を考えて結婚を選択するケースもあるように感じます。30代前半の女性はちょうど働き始めてから10年ほどでキャリアが波に乗る頃で、経済的に自立している人が多い。夫や子どものために人生を犠牲にしたくないから結婚をまだしたくない、自分の時間を持って働き続けたいという人が多いけれど、その気持ちに反して周囲からは「30代を過ぎたら結婚しないか」とか、「子どもはまだか」など、常に聞かれます。それは私たち女性にとって「結婚しなければ」とすごくプレッシャーになるんですよね。フランスでは、韓国のような周囲からのプレッシャーはないので、妊娠のきっかけがなかったら結婚はもう少し先だったかも。