PACS=入籍はしていないが法律婚とほぼ同等の法的優遇が受けられる制度

ユニオン・リーブル=同棲をしているがPACSも法律婚もしていない法的契約を結ばない関係。いわゆる事実婚

法律婚=日本と同じく婚姻届を市役所提出し、法律上で婚姻関係が認められている関係

【PACS】14年にわたる平等な関係と、お互いのアイデンティティを保つため

プロフィール
名前:Maeva(マエバ)さん

※名前の「e」の上にはトレマ「¨」がつく。
国籍:フランス 職業:研究員 
パートナー国籍:フランス 交際歴:14年
 関係:PACS

「一緒にいて14年、私たちはとても居心地のいい関係です」と、Maёvaさん 写真/Maёvaさん提供

筆者:なぜPACSを選んだの?

Maeva:PACSを選んだ理由は、結婚することがそこまで大切なことではなかったからかな。あと、彼も結婚に抵抗があるみたい。結婚してしばらくして離婚するカップルを、これまでたくさん見てきたのもあって、結婚することで2人の関係がより長続きするという考え方もなくて。私たちはこのままでとてもうまく行っているので、この状態をわざわざ変えたいとも思いません。

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結婚することによって、私たちの平等な関係が壊れるのも、結婚という制度に閉じ込められた気持ちを感じるのも怖いし、なにより「私たち」になることで、「私」個人としてのアイデンティティが存在しなくなるのではないかという不安もある。私たちはそれぞれのアイデンティティを持っているし、それを守りたいという気持ちもあるかな。でも、いつか彼が結婚したくなったら、私は反対しているわけではないから「No」とは言わないでしょうね」(Maevaさん)

筆者:フランス人女性は結婚したいという人があまり多くない?

Maeva:フランス人女性も気持ち的には結婚したい人は多いはず。けれど、それはどちらかというと、結婚パーティーを開いたり美しいドレスが着たいからかも。私たちはそこまで重要視していないのと、無神論者だから、そこまで結婚をしなければいけないという宗教的な縛りもないの(*結婚制度はそもそもキリスト教の制度)。

筆者:どうして法律的拘束がないユニオン・リーブルでなく、PACSを選んだのか?

Maeva:私たちは持ち家(一軒家)に住んでいるのだけど、家を購入する時にPACS制度を選びました。PACSをしていた方が、不動産に対して「継続するつもりの真面目な関係」ということで印象が良いし、税金対策にもなるから(フランスでは、結婚やPACSをすると世帯ごとの税金申請になり、個人で払うのに比べて税負担は約2分の1になる)。

また、家という資産を共同購入する際になんらかの制度をとっておかないと、ふたりの共同資産にはなりません。つまり、もしどちらかが死んだ時にその両親や兄弟に資産権利が渡ってしまいます。ふたりの資産ということを証明するためには、PACSを選んだうえで、遺言書で資産についての意思を書くか、法律婚をしておいた方が資産形成のためにも有効なの。