2016年に渡仏。単身、金・コネ・語学力なしの状態から、ライター、バイヤー、コンサルティング業を経て、株式会社を設立したパリ在住のSAKIさん。日本で働いた経験や、コンサルティングや起業サロンの主宰を通じ、世界各国に住むさまざまな女性との関わりから、特に「日本での女性の働き方」「性別・人種の不平等」に問題意識を持つ。今回は、恋愛先進国と呼ばれるフランスに住む4人の女性に結婚観をインタビュー。法律婚(結婚)、PACS(連帯市民協約)、ユニオン・リーブル(事実婚と、3通りあるフランス流の結婚制度から、その制度を選んだ理由とその背景を聞いてみた。

法律婚、PACS、ユニオン・リーブル 3つの結婚制度

フランスの結婚に対する考え方は本当にさまざまだ。

筆者はフランスに住んで5年になるが、日本のように「結婚している人・していない人」の二択ではなく、人によって多くの選択肢・価値観があると実感している。フランスの国立調査機関(※1)によると、フランスではカップルの32パーセントが法律婚、28パーセントがPACS(パックス)、残り40パーセントがユニオン・リーブルの割合になっている。

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PACS

入籍はしていないが法律婚とほぼ同等の法的優遇が受けられる制度連帯市民協約)で、1999年に制定された。当時のフランスでは、同性の法律婚が認められておらず(現在は認可済)、同性カップルの保護が目的だった。締結が法律婚より緩いのに対し、社会保障、税金、財産、子どもができたときの手当てが法律婚とほぼ同様に保証される。違いを挙げるなら、申請しないと財産が共同資産にならないこと、パートナーへの財産相続に遺言書が必要なことだ。
ユニオン・リーブル

同棲をしているがPACSも法律婚もしていない法的契約を結ばない関係。いわゆる事実婚がこれに該当する。フランスの代表的哲学者、小説家のサルトルが実践した新しい男女の関係で、自由結婚とも言われている。比較的パリやパリ郊外など都心部の先進的な考え方のカップルに人気なのだそう。女性の経済的自立が促進されたことや、性別に対する考え方の自由度が上がったことから、フランスでは今日このような傾向に至っている。
法律婚

説明不要だが、日本と同じく婚姻届を市役所提出し、法律上で婚姻関係が認められている関係
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フランスには結婚にまつわる3つの制度がある。30年くらい連れ添い共に暮らし、子どもがいるカップルでも、同棲のみのユニオン・リーブルというケースも多く、日本と結婚観が違ってとても興味深い。

そこで今回は、フランスに暮らし、法律婚・PACS・ユニオン・リーブルと異なる制度を選ぶ4人の女性に「なぜその選択をしたのか?」という質問を通し、それぞれの結婚観を聞いてみた。

※1 フランスの国立調査機関 Insee「結婚・PACSのカップルの数推移」
https://www.insee.fr/fr/statistiques/2381498

フランスの国立調査機関 ined「同棲カップル、非同棲の数」
https://www.ined.fr/fr/tout-savoir-population/chiffres/france/couples-menages-familles/couples_menages_familles/