上白石萌歌の「スピッツ」呼び捨て発言が波紋…丁寧すぎる「さん付け」はむしろ失礼?

ファンだからこその「勇気」
小泉 カツミ プロフィール

変じゃないか? 「さん」づけの風潮

筆者は、以前からこの風潮を「何だか気持ち悪い」と思っていた。当事者たちは、一緒に出演している彼らに失礼のないようにという思いで「さん」付けしているのだろうが、一方で「さん付けしておけば失礼にならないだろ」という安直な発想に思えてならないからだ。

例えば、自分が大ファンであるようなアーチストについて語る時、呼び捨てになるのは当然のことではないか。誰も「ビートルズさん」とか「ローリングストーンズさん」などとは呼ばない。確立された固有名詞には、下世話な敬称などはかえって失礼にあたると思えるからだ。

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この奇妙な「さん」づけ問題、けっしてテレビや芸能界だけのことではない。気がついたら、至るところで蔓延している。

代理店などの打ち合わせや会議でも、「この件については、一度電通さんに聞いてみて」「日テレさんにしてみれば」「ローソンさんやセブンさんなどの店頭でも……」などと頻繁に耳にする。

先日家電量販店に行ったら、とんでもないことになっていた。タブレット端末を見ていたら、店員がこちらへやって来て、「こちらのタブレットは、楽天さんやAmazonさんの電子書籍が利用しやすいのですが、TwitterさんやLINEさんの利用にはちょっと不向きなんです」と説明を始めたのだ。

思わず店員の顔をまじまじと見てしまった。なんでも「さん」を付けとけば、丁寧に聞こえるだろうという安易な発想としか思えない。

また、チラシ広告の地図でも、周辺の名称にやたらと「さん」付けされていることがあって驚かされる。「〇〇スーパーさん」「ローソンさん」「AMPMさん」「餃子の王将さん」「NTTさん」「〇〇幼稚園さん」など、見ているこちらが赤面してしまうような地図だ。

呼び捨ては失礼になるという気遣いなのかもしれないが、筆者には気持ち悪いとしか思えない。

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