グリコ森永事件・キツネ目の男をあと一歩のところまで追い詰めた刑事

京都駅の雑踏で、その男を見失った。あのとき身柄を押さえていれば

グリコからカネを奪えなかった「かい人21面相」は、丸大食品にターゲットを変更する。1984年6月28日、社員に5000万円を持たせ、待機するように要求したのだ。

丸大から通報を受けた大阪府警は、新聞記者らにもそれを隠したまま、密かに多数の捜査員を配備する。犯人グループと7人の警察官の、手に汗握る追尾劇が始まった――。(編集部)

「女の声」で指示が

(大阪府警捜査一課の)鷹取(裕文)警部と記者たちが懇親会で盛り上がっていたまさにそのとき、丸大食品の太田常務の家にかい人21面相から電話が入った。午後8時3分だった。受話器の向こうからは、あらかじめ録音してあったテープが再生され、カネの運び先を記した指示文書の置いてある場所を伝える、30代前後のはきはきした女の声が流れてきた。

 

  〈高槻西武デパート(現・高槻阪急デパート)の市バス乗り場の観光案内板の裏〉

太田常務に扮した捜査一課特殊班の捜査員が、国鉄高槻駅北口の観光案内板の裏にあった指示書を入手すると、そこにはこうあった。

 〈午後8時19分か8時35分発の京都行き各駅停車に乗れ。途中、白旗が見えた地点で走行中の電車の窓からそのバッグを外に放れ〉

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