日本の借金1200兆円…それでも「日本は絶対に破綻しない」と言えるワケ

こうすれば日本経済はよくなる
田原 総一朗, 藤井 聡 プロフィール

藤井 はい。MMTは、シラー先生のおっしゃる「政府は財政赤字を無限に続けていい」とは、主張していません。

MMTは、まず「財政赤字が膨らんでいって政府がつぶれることは、原理的にない」という。ならば「政府がつぶれるから、財政赤字の拡大はダメだ」という話は当然、単なるデマだということになります。

すると「政府が破綻するから、財政赤字を拡大させるプライマリーバランスの赤字はダメだ、黒字にしなきゃいけない」とも、まったくいえなくなりますよね。でも、財政規律やプライマリーバランスをうるさくいう人はみな「政府の破綻を避けろ!」というのが根拠。でも、破綻自体がないのですから、財政規律やプライマリーバランスにはとくに合理的な根拠がない、ということになるわけです。

田原 政府は自国通貨を発行できるからと聞けば、そこまではわかる。

藤井 一方、MMTは、政府は後先考えずに無責任に好き放題カネを使ってもいいというような不道徳や不健全なことは、一切いっていません。政府は社会・経済がよくなるような適切な内容・規模でカネを使うべきだ、といっているに過ぎません。この点が世間に激しく誤解されているようです。

 

「財政規律なしで無限に支出せよ」とは言っていない

田原 ただし、財政赤字を無限に拡大させないような歯止めというか、基準が必要でしょう。その基準は何ですか?

藤井 まさに適切なご質問、ありがとうございます。MMTを批判する人たちはそもそもMMTには何の財政規律もないと誤解しているようですが、実際はそうではない。MMTは「適正なインフレ率」を財政規模の基準にせよと繰り返し論じています。つまり、借金しすぎてカネを使いすぎれば、インフレ率が高くなりすぎるから、そうならない範囲でカネを使え、といっているわけです。

おそらく、MMTを批判する人たちの多くは、財政規律といえば財政赤字の解消だと単純に思い込んでいるのでしょう。だから、MMTが財政赤字は問題じゃないといったとたんに思考が停止して、「MMTは財政規律をなくせというトンデモ理論だ!」と早合点してしまうのでしょう。

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