「認知症」や「心臓疾患」も見逃せない

これも人間と同じだが、シニアになると気になってくるのが「認知機能不全」だ。いわゆるボケという症状は、ペットにも多くみられることがわかってきている。

夜鳴きや徘徊をするほど重症でなくても、トイレの場所がわからなくなって粗相が増えたり、ドアの蝶番側から外に出ようとするなどの症状も初期には認められる。認知機能不全症候群のセルフチェックができるサイトもあるので毎年確認し、少しでも症状が出てきたら病院で相談すると良いだろう。

また粗相をしている際に、トイレの場所がわからなくなったという理由以外に、膀胱炎等の病気が隠れている可能性もある。すべてを歳のせいと決めつけずに、治せる病気なら治療を行い、もし本当に認知機能不全であれば早めにサプリの内服を始めたりすることで、健康寿命を伸ばすことができるだろう。

トイレの失敗が続くときは、認知機能不全や他の原因も探ってみよう。photo/Getty images

もうひとつ多いのが「心臓病」だ。

10歳を超えた犬の10~20%以上が、心臓病に罹患しているという調査結果がある。特に小型犬では多いので注意が必要だ。最近あまり散歩に行きたがらないという症状は、関節炎などの痛みがあっても起こるが、心臓病でも同じようなことが起きる。

また心臓病は、無症状で治療を始めるのと、明らかな症状が出てから治療を開始するのでは、平均余命に明らかな違いがある。肺水腫などの深刻な症状が出てから投薬治療を始めた場合、平均生存期間は約8ヵ月と言われている。

はじめのうちは聴診やレントゲン、エコー上での変化しか分からないこともあるが、その段階で治療を始めるのが1番有効だ。こういった意味でも、7歳を過ぎたら年に2回の健康診断を行っておくと安心だろう。

他に、咳が出るなどの症状が急に現れることもある。シニア犬で急に咳が出始めた場合、心臓病が急激に悪化している可能性もあるので、放っておかず早めに病院の受診をお勧めする。

7歳を過ぎたら、動物病院で定期的な健康診断を習慣化したい。photo/Getty Images