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日本政府が「楽天と中国の関係」を監視し始めた…でもそれ効果ありますか…?

日本政府が安全保障の観点から楽天グループを監視する方針を固めたとの報道が出ている。中国のIT大手から出資を受けたことが背景だが、中国から出資を受けている企業や、中国との関係が密接な企業は他にもたくさんあり、年金機構から中国に情報が漏洩しているとの指摘も出ている。

データ漏洩を防ぐことは重要だが、楽天に対する監視が、単なる世論対策や政府のアリバイ作りでは何の意味もない。本気で中国リスクを懸念するのであれば、形式的な聞き取り調査ではなく、日本経済の仕組みそのものを変革し、中国依存度を下げる努力が必要である。

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楽天監視の記事が流された背景

共同通信は2021年4月20日、「日米両政府が楽天グループを共同で監視する方針を固めたことが分かった」と報じた。楽天グループが中国のIT大手騰訊控股(テンセント)グループの出資を受けたことから、日本政府は楽天に対して定期的に聞き取り調査を行い、米当局と情報を共有化するとしている。

正式な発表はなく、記事では情報源が明らかにされていないので、典型的なリーク記事と考えてよいだろう。リーク記事は大抵の場合、情報を拡散したい人(政府関係者や企業幹部など)が特定のマスコミだけに情報を流し、意図的に世論形成を図ったり、社会の反応を見るために実施される。

日米首脳会談が行われたタイミングであることを考えると、日本政府が中国に対する監視を強化していることを米国にアピールしたり、他の日本企業に対して安易に中国と提携しないよう促す目的があるのかもしれない。

政権が国内の世論対策として情報をリークした可能性もある。現在、中国に対しては香港問題やウイグル問題など人権問題が提起されているが、日本政府の中国への対応は曖昧なままである。中国依存を強める財界への配慮があると考えられるが、一部からは政府は何もしていないとの声も出ている。楽天という分かりやすい企業をターゲットに「監視強化」という情報を流せば、政府にとっては、「ちゃんと仕事をしていますよ」という、ある種のアリバイとなる。

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